shionoさんのコメント: 投票数順
グリーン・ゾーン(2010/米) | 撮影地モロッコをバグダッドに変貌させたプロダクションに感心する。緊迫状況を持続させた中盤まではいいが、人物の思惑が交錯する後半は単純すぎてつまらない。 [review] | [投票(3)] | |
コンドル(1939/米) | ホークスの卓越した演出力が冴え渡る。心の内とは正反対の態度を取る男たちが織り成す人情派ハードボイルドは実にシンプルで清清しい。芝居の充実度もさることながら、ミニチュア、実景、合成とそれぞれ工夫を凝らした飛行機のシーンはいずれもアクションのツボを心得ている。 | [投票(3)] | |
あなたは私の婿になる(2009/米) | 邦題が示すようなサンドラ・ブロック視点のドラマではないところが成功要因の一つ。都市と田舎の関係性、海辺の嘘といったロメール的なテーマ性が底辺にあるから、画一的なプロットもさほど飽きずに見ていられる。 [review] | [投票(3)] | |
スペシャリスト(1994/米) | 70年代のアメリカ映画からまったく進歩していないアクション映画だが、スタローンとストーンの唯一無二のタレント性に圧倒された。アタマ(理屈)を凌駕する肉の魅力は決して侮ることはできない。 [review] | [投票(3)] | |
トランスフォーマー リベンジ(2009/米) | 前作から二年という短いスパンだからまだ新鮮味は失われておらず、基本的に同じことの繰り返しでよいのだ。だがそれにしてもまず脚本がいいし、マイケル・ベイの演出も堂に入っている。 [review] | [投票(3)] | |
スラムドッグ$ミリオネア(2008/英) | この企画をよく成立させたと感心こそすれ、愛すべきポイントは最後まで見当たらず。理屈を頭から追いやって、乗る気満々だったのに、役者に魅力を感じられずフラストレーションが溜まるばかりだった。 [review] | [投票(3)] | |
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと(2008/米) | 新聞の連載コラムという語り口の良さをうまく映画に適用している。主人公の主観描写であること、扱う時間の長さ、そして普通の日常生活に潜む驚きの瞬間を鮮やかに切り取って見せるさりげない洗練に満足した。 [review] | [投票(3)] | |
ヤッターマン(2008/日) | あのアイマスクで強調される目ぢからを最大限に生かした、視線の演出がよい。実写素材をCGのテクスチャーに引き寄せる二次元的な画作りの中、深田恭子の眼差しはスクリーンから観客席に突き抜ける勢いを有している。 [review] | [投票(3)] | |
フェイクシティ ある男のルール(2008/米) | この映画に足りないものを列挙することはたやすい。顔面に寄ったクローズアップの会話劇も大画面で見るには辛く、テレビドラマ以上劇映画未満かと思いきや、シナリオとキャスティングのケミストリーが終盤に爆発する。通好みの逸品。 [review] | [投票(3)] | |
ブラインドネス(2008/カナダ=ブラジル=日) | オルタナ系の愚作。こういうイマジナティヴな設定はアンダーグラウンドの舞台演劇でやればいい。会話のつまらなさ、芝居のくだならさも耐え難い。 | [投票(3)] | |
トロピック・サンダー 史上最低の作戦(2008/米=独) | これは映画撮影なのか現実の戦闘なのか、という勘違いだけではドタバタ・コメディになってしまうが、この作品はより洗練された笑いを目指している。 [review] | [投票(3)] | |
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(1994/米) | 映画化で端折られたであろう年代記的ヴォリュームを補って余りある、トム・クルーズの図々しいまでのヴィジュアル、これはやっぱり魅力的だ。事情があったとはいえ、クリスチャン・スレーターの記者は凡庸に過ぎる。 [review] | [投票(3)] | |
クライマーズ・ハイ(2008/日) | 後発の映画版では、123便墜落事故に踏み込むのではないかという期待、というより懸念があったのだが、原作のアプローチを外さず、むしろフィクションに大きく振ったことが成功した。 [review] | [投票(3)] | |
ラスベガスをぶっつぶせ(2008/米) | チームに魅力がないから、ゲームにスリルがない。『ハスラー2』のような師弟関係のドラマでもない。欲望と危険の伴わない賭け事と、ヲタクとコドモしかいないMITの学生では、どう逆立ちしても映画的な色気が出てこない。 [review] | [投票(3)] | |
最高の人生の見つけ方(2007/米) | ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンへの信頼は、ファーストカットのナレーションで早くも報われた。こういう映画を見たいから、僕はアメリカ映画を見続ける。 [review] | [投票(3)] | |
バンテージ・ポイント(2008/米) | 頭脳戦、心理劇を期待していた身には肩透かし。大統領視点の段階でご都合主義的展開に大きく失望し、残りを見るのが辛かった。上書きされていく「真実」とやらの意外性ひとつひとつに知性が感じられない。 | [投票(3)] | |
カンナさん大成功です!(2006/韓国) | このプロットでこういう展開は韓国のオリジナリティといえる。個を主張しないヒロインの恋愛観と父親の存在は、保守的な国民性の現れであり、それがヒロインの肉体を借りて愛しいものとして昇華するクライマックスは、有無をいわせぬ泣かせどころだ。 [review] | [投票(3)] | |
ジェシー・ジェームズの暗殺(2007/米) | 同じ南北戦争後の時代を描いたフォードの『捜索者』などと比較すると、はるかに単純な語り口である。主要人物による会話劇と、シーン変わりに挿入される叙情的な風景ショット、要所に入るナレーションという構成で、とりわけ特殊効果による風景撮影はあざとくもあるのだが、なんといっても人物造形の豊かさ、濃密な芝居空間に漂う恐ろしいまでの緊張感は傑出している。すべてのキャストが非常に魅力的だ。 | [投票(3)] | |
荒野の決闘(1946/米) | フォード編集の104分特別編をDVDにて初見。ダリル・F・ザナックがハサミを入れた97分公開版では失われてしまった、本来のフォードの詩情がここにある。 [review] | [投票(3)] | |
怒りの日(1943/デンマーク) | そのテーマといい技法といい、ドライヤー初体験の私としてはただもう驚嘆するしかないのだが、ひとつわかったことは、ヒロインの心の動きのなんと現代的であることか、愛や恋や若さ、自由や束縛といったものの考え方は溝口の田中絹代より、ひょっとしたら増村の若尾文子よりも、今の人々にアピールするのではないかと思う。 [review] | [投票(3)] |