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shionoさんのコメント: 点数順

★4ブラック・スネーク・モーン(2006/米)巨体サミュエル・L・ジャクソンとベイビードール、クリスティーナ・リッチの取り合わせ。彼女の細いウェストに太い鎖を巻きつけること。それらの視覚的な独創性が映画に豊かなディテールをもたらしている。 [review][投票(2)]
★4洲崎パラダイス 赤信号(1956/日)冒頭の勝鬨橋から、バスの車窓風景を挟んで須崎弁天町に行き着くまでの導入部の手際のよさ。新珠と三橋の間柄は情感豊かに、脇役との関係性はあっさりと客観的に。人間関係の濃淡の描きわけも巧みだ。 [review][投票(2)]
★4JUNO ジュノ(2007/米)巷言われているように、養子縁組の話が立ち上がってからがおもしろい。エレン・ペイジは、ガーナー&ベイトマンの高所得夫婦の邸宅を都合三度訪れる。最初は父シモンズと共に。二回目は写真を携えて単身で。いずれも、ペイジ退場の後、カメラは室内に残ってこの夫婦を捉える。 [review][投票(2)]
★4神様のパズル(2008/日)「東映」してるし「角川映画」しているのが40代前半の我が身には感涙もの。人はそれをカツゲキとかホウガなどと呼ぶのではなかろうか。アンチ・ヴァーチャル萌えとしての、レトロなお色気がまたツボだった。 [review][投票(2)]
★4チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007/米)淀みのない語り口にさらっと流してしまいそうになるが、映画人トム・ハンクスの今を知る代表作といっていいと思う。彼ならではの解釈によるキャラクター造形で脇役陣を巻き込み、映画全体のムードを支配する。マイク・ニコルズの芝居を生かす演出も冴えていて、ホフマンは勿論、ロバーツがまた格段に魅力的だ。[投票(2)]
★4奈緒子(2007/日)陸上部員役の新人俳優を始めとした魅力溢れるキャスト、ロケーション、撮影も申し分なく、あえて狙ったようなマンガチックな台詞の数々とのバランス感覚もまたおもしろい。 [review][投票(2)]
★4ステラ・ダラス(1937/米)陽気な社交性といい、自由意志による決断といい、国民に好かれるヒロイン像をスタンウィックが好演。娘との友だち親子で少女のように若々しい容姿が、最後のシーンで年相応の老け姿になる。この大河ドラマ的スケール感は、観客が親世代へ思いを馳せる移民国家ならではの泣かせどころだ。[投票(2)]
★4邂逅(1939/米)観客の感情を自在に操るクライマックスの巧みな構成、演出は実に素晴らしい。 [review][投票(2)]
★4叫(2006/日)LOFT』に続いて黒沢清二本目。やはりミザンセヌの作家のようだ。アントニオーニほどのきっちりした額縁舞台ではないが、フォルムと色彩と配置による画面設計は、どう撮るかという以上にまず何を撮るかに意識的であり、それがホラーというジャンルと『雨月物語』的物語性にマッチしている。[投票(2)]
★4ダーティハリー4(1983/米)犯罪被害者の復讐とは、司法の代わりに断罪を下すことでも、神の手で天誅を加えることでもなく、犯罪者が背負った罪を我が身に移動させるだけである。その先にあるのは人間の尊厳への洞察だ。イーストウッドはここぞというときに人物の顔へのライティングで彼の倫理観を仄めかす。 [review][投票(2)]
★4おとうと(1960/日)市川崑の前衛演出が冴え渡るフィルム・ノワール(?)。初めから壊れた家族関係は修復される見込みはなく、どの登場人物も画面外ではなんの痛痒も感じていない。とりわけ岸惠子は皆の依存をやすやすと裏切りかねない倒錯した性的魅力を発散している。[投票(2)]
★4イヴの総て(1950/米)舞台の外でも女優でありつづけるデイビスが、ハスキーな声で決め台詞を連発するのは見ていて気持ちがいい。時に蹴飛ばしたくなるほど愛らしいスター性が友情で庇護される様子にホッとする。隠し味のユーモアもチャーミング。[投票(2)]
★4ザ・タウン(2010/米)インディペンデントの香り漂う上質なクライムアクション。アフレックを引き立てる脇役もいいし、何よりヒロインのレベッカ・ホールのエレガンスに惚れる。組織犯罪の描写は弱いが西部劇のような情緒があって気に入った。[投票(1)]
★4ぼくのエリ 200歳の少女(2008/スウェーデン)思春期に見たらトラウマになってしまいそうな怖い映画。ヴァンパイアという設定が、人と人とが理解不能であるという断絶を際立たせている。 [review][投票(1)]
★4ウルフマン(2010/米)古典ホラーの匂いが濃厚な良作。ヴィジュアルによるムードだけではなく、基本を押さえたサスペンス演出が上出来なので、画にもストーリーにも大小幾重の驚愕がある。役への執着を感じさせないデル・トロもいい。[投票(1)]
★4恋するベーカリー(2009/米)現時点でのナンシー・メイヤーズのベスト。身近なテーマ故に見えにくいかもしれないが、メリル・ストリープの心理描写は卓越している。抽象的な感情を表現する困難な命題を、あくまで映画のセオリーに則って実現しようとしたその挑戦は成功したのではないか。 [review][投票(1)]
★43時10分、決断のとき(2007/米)饒舌な脚本と俳優の演技の相乗作用による人物重視のドラマが熱い。息子を目撃者にして、クロウとベールが(『プラトーン』のような)「二人の父」へと収斂していくプロセスに泣いた。[投票(1)]
★4プルーフ・オブ・マイ・ライフ(2005/米)スリリングな三幕ものの心理劇。情緒不安定なヒロインをグウィネス・パルトロウが好演していて見直した。 [review][投票(1)]
★4きみがぼくを見つけた日(2009/米)存在自体がジャンプカットのエリック・バナ。原作の独創性もあろうが、あっと驚く仕掛けがこの映画にはある。映画において時間というものが何を意味するのか。その唐突さと残酷さに心震える。 [review][投票(1)]
★4男と女の不都合な真実(2009/米)新しいことはなにもしておらず、映画だけが娯楽だった頃のクラシカルな雰囲気がある。映画の再生産が成立するのはもはやアメリカだけだし、またそのことに自覚的なのがこの作品の価値である。 [review][投票(1)]