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けにろんさんのコメント: 更新順

★1プロスペローの本(1991/英=仏)大体「テンペスト」を知らないので話が呑み込めず、戸惑うようなギールグッドに背負って立つ魅力も感じず、期待のハイビジョンの他人の不条理夢を見るが如き裸男女の異様な乱舞のセンスには降参するしかなかった。[投票(2)]
★2それから(1985/日)暗い筈の明治をこういうモダニズムでとらえることがありきたりで白けるし、シュールな意匠はオープンセットを組めない逃げにしか見えない。ガタイのでかい優作は精一杯神妙にしてみせても内省的な高等遊民とは程遠い。[投票(1)]
★5恋ごころ(2001/伊=独=仏)あらゆる非日常のギミックを排し恋を描いてベッドシーンどころかキスシーンもロクに無いのに男と女が交わす愛し愛される視線と表情の至福感。一方で6人の男女を思うがままに組み合わせて展開する作劇のダイナミズムが又魅せる。参りました。[投票(5)]
★3戦争と人間 第1部・運命の序曲(1970/日)同じ五味川原作でも東宝色強い『人間の條件』が文芸調なら日活のこれは講談。ハッタリ親爺薩夫節も新劇系の伍代ファミリーにはフィットしてもルリ子英樹裕次郎の明朗さとは合わない。大陸浪人の三國は突出した怪演。[投票(2)]
★4卒業(1967/米)どうしてこのプチブルガリ勉チビすけ野郎がモテモテで親子どんぶり食い放題なのか?人生の矛盾を感じつつ、しかしS&Gの感傷的なメロディをバックに流れる流麗な画面には否応なく惹きつけられた俺…未だ青かった。[投票(3)]
★3はなればなれに(1964/仏)物語を語るのにてらいがあっては観客は白けるのだ。ゴダールはわざとゴッコの振りをし、若干のカリーナへの色気を交えておどけてみせるが正直醜悪である。ただ他の何本かの崩壊し切った代物よりは多少物語の態を成してはいる。[投票(1)]
★3卓球温泉(1998/日)温泉の卓球という如何にもな設定をしながら、確信的に周防映画のエピゴーネンたらんとする2重の過ちを犯したが、辛うじて中年太りの松坂の二の腕の世捨て人たらんとするかの如き迫力に救われた。[投票(2)]
★4青空娘(1957/日)タイトルそのままの抜けの良いカラー画面の中で、いい調子で飛び交うロジカルで歯切れのいい台詞の気持ちよさ。そして、タイトルロールとは正反な若尾の粘液質のキャラが醸し出すギャップがやけに色っぽい。[投票(3)]
★3模倣犯(2002/日)市井の人々に限りない思いを寄せる宮部に対し時代の先鋭をどうしても持ち込みたい森田の思惑の結果が山崎の部分が映え中居の部分が舌足らずというのでは原作にねじ伏せられた形だと思う。犯人側の描写が薄すぎ。[投票(3)]
★3太陽の少年(1994/中国=香港)良く出来た年代記もので且つ少年時代の話というのは王道的売れ線要素だが、一方で余りに多くの作品があるので余程オリジナリティが無いと埋没する。年寄りと子供しかいない空虚な街という設定を活かしきれていない。[投票(1)]
★5光の雨(2001/日)役者のチープな感想とセンチにポーズを決める監督像を割引いても、反社会的でも信念に賭して朽ちた同時代人達への想いが心を打つ。個では真摯な思いもマスになるとヒエラルキーに駆逐されるジレンマを2重構造が虚構を覆い隠すという凝った構造で描いて良い。[投票(2)]
★3運命の逆転(1990/米)さしずめ、日本だと清張原作、野村芳太郎監督作みたいなもの。胡散臭さに於いて当代随一とも言うべきアイアンズクローズの充実演技と米ブルジョワの生活の丹念な描写の珍しさが見所。しかし、モデル存命中で結論付け出来ず盛り上がらない。[投票(1)]
★3クリフハンガー(1993/米)冒頭の見せ場は心胆寒からしめるものだったし、スタローンお得意の全身哀しみオーラ発散でそのトラウマを表出できていたのに、いつのまにやら何でも詰め込んでのてんこ盛り映画に堕ちてしまった。[投票(4)]