★3 | オープン・ウォーター(2003/米) | この題材で着想し撮り切ったということが評価されるべきなんだろうなぁ。でもエクストリーム・ロングショットは欲しいところ。あの状況というのはまず圧倒的な孤立感なのだから。映画俳優しりとりゲームももう少し長く続けてもよかった。 | [投票] |
★5 | 偉大なるアンバーソン家の人々(1942/米) | ウェルズが音のモンタージュを確立した作品。舞踏会後にそれぞれが別れを告げるシルエットのシーン、自動車工場見学のシーンなど、今となっては珍しくないボイス・オーバーラップだが、表現主義的な技巧が凝らされていてミステリアスだ。 | [投票] |
★3 | ヒッチコックのゆすり(1929/英) | 少女のような可愛らしい声のオンドラが見せる奇怪な演技も見ものだが、街路にクラクション、朝の小鳥のさえずりといった音の省略・単純化がいい。防音完備の電話ボックスだとか。 | [投票(2)] |
★4 | カイロの紫のバラ(1985/米) | キャラクターが文字通りに一人歩きする瞬間はかなり驚いた。それをまた具体的な事件として展開させるのもいかにもアメリカ映画らしい。 [review] | [投票(4)] |
★3 | 弓(2005/韓国) | 嫌いじゃないが、我がギドク映画ベストは今も『サマリア』。『うつせみ』『弓』における映画へのアプローチはガス・ヴァン・サントの『ジェリー』『ラストデイズ』を想起させる。選択した表現媒体がたまたま映画だったんだよ感が微量の不信感となって後に残る。 | [投票] |
★4 | ロイヤル・スキャンダル(1945/米) | 「ルビッチ・タッチ」のルーツのひとつは宮廷喜劇なのではないだろうか。権力者の立ち振る舞いはまさに風刺のきいたコメディそのままだ。気性の激しい女帝バンクヘッドは政治権力の行使者として貫禄十分の美しさ。財務相ニコライ役のコバーンも笑いの翻訳者として欠かせない。 | [投票] |
★4 | ダーティハリー4(1983/米) | 犯罪被害者の復讐とは、司法の代わりに断罪を下すことでも、神の手で天誅を加えることでもなく、犯罪者が背負った罪を我が身に移動させるだけである。その先にあるのは人間の尊厳への洞察だ。イーストウッドはここぞというときに人物の顔へのライティングで彼の倫理観を仄めかす。 [review] | [投票(2)] |
★3 | シャレード(1963/米) | レストランの電話ボックスでコバーンにいたぶられるオードリー、駅の電話ボックスでグラントをやり過ごすオードリー、ステージのブーカ(プロンプター・ボックス)に隠れるオードリー。狭い場所に追い詰められると可愛らしさ倍増。終盤のサスペンスもよかった。 | [投票(5)] |
★4 | Mの物語(2003/仏=伊) | ミザンセヌ(画面上の構成)の教材として最適。ショットにおける人物と背景の位置、向き、大きさ、色彩、明るさ、質感などの構成要素を観察しつつ、絵画を見るように音楽を聴くように感じるままに任せていると、時間の経つのもあっという間だ。 | [投票] |
★3 | 青年の椅子(1962/日) | お話は他愛のない青年社員モノ。タイプ室勤務のヒロインが、お付き合いの可否を公文書の体裁でタイプ打ちする可愛らしさ。彼女はきっと亭主の金●を握る強かな女房になるであろう。こういうコミュニケーションツールは現代では再現しにくい。 | [投票(1)] |
★3 | ある女の存在証明(1982/仏=伊) | 変容しながら何事かを語りかけてくる緊張感に溢れた画、というアントニオーニ全盛期の興奮はここにはない。ヌードを出さずともあれほど官能的だったモニカ・ヴィッティ主演作を思うと残念だ。 | [投票] |
★3 | 情婦(1957/米) | エンディングで幕を引き、楽屋裏の様子は再びオープニングのシーンへと繋がるのだろう。主演したチャ−ルズ・ロートンが花束で迎えられるという。閉じた舞台の閉じた演出でロートンを見る最適位置はエルザ・ランチェスターが座っていた二階の傍聴席だ。フレームの中に占める彼の体躯はその重力さながらに映画の自由度を地面に繋ぎとめている。 | [投票] |
★3 | 悪名十八番(1968/日) | 10年ぶりくらいの白塗りの勝新が見られるが、膨張色なので笑えないものがある。シリーズの黄昏時を作品内で消化しきれず、映画の枠外での侘しさを禁じえない。安田道代と森光子、セルジオ・レオーネっぽいレンガ瓦礫のロケセットはよかった。 | [投票] |
★3 | 悪名無敵(1965/日) | これはいい。朝吉に時代の変化を嘆かせることなく、大阪駅の実景で社会を見せている。ファム・ファタル藤村志保との片山津での駆け引きや、ジュリエット・ルイスのような八千草薫の勝気な可愛らしさ、この二人の女のSMに傾いた風俗描写も現代的だ。 | [投票] |
★3 | 悪名幟(1965/日) | 旅館の朝、清次が部屋に転がり込んでくるシーンでは、寝床から浴衣を脱いで着流しに帯を締め、財布を手にするまでの朝吉の寝起きがワンカットで見られる。平凡な脚本も演出と撮影で救われていて、かろうじて及第点。 | [投票] |
★4 | ダイ・ハード4.0(2007/米) | ワイズマン監督の格段の進歩に驚いた。ジョナサン・モストウの重量級メカアクションと、ポール・グリーングラスの臨場感溢れるスタントアクション、マイケル・マンばりのガンファイトと、近年のアクション映画のいいところ取り。 [review] | [投票(10)] |
★3 | 悪名太鼓(1964/日) | 冒頭のトラック上での立ち回りや、和洋対比させた二人の女、ランドマークを排した無国籍風港湾風景など、ポイントで小技の工夫が見られおもしろい。流しのギター弾きを乗せて舟を漕ぐ勝新には情緒がある。 | [投票] |
★3 | 悪名市場(1963/日) | 次郎長三国志が東海道の話なら、こちらは瀬戸内海コネクション。甲板のシーンがあるとなんだか嬉しい。今回は小粒な話で、異国の女、瑳峨三智子のエキセントリックな魅力に尽きる。 | [投票] |
★3 | 第三の悪名(1963/日) | 九割方のスタジオ撮影と文学青年ばりに青臭い長門裕之、えげつない経済ヤクザの利権争いと、陰気なトーンが支配するストーリーだが、B級アクションっぽい宮川キャメラとユーモラスで要所を押さえた田中演出はなかなかに冴えている。 | [投票] |
★3 | 皇帝円舞曲(1948/米) | クレーンとパンで受付から客室まで見渡せる”フィドル・イン”のセットなどはいいと思うが、全体的にどうもハジけてない。イケてない。 [review] | [投票(1)] |