[あらすじ] 鬼が来た!(2000/中国)
映画を見終った人むけの解説です。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ユウ・フォンウェイの短編「生存」を原作に、チアン・ウェン自身が構想していた企画を映画化した、彼の監督第2作。
彼がこのテーマを取り上げることを決めたのは、監督第1作『太陽の少年』のプロモーションのため来日した1997年の春であった。東京の靖国神社近くを歩いていた監督は、旧日本軍兵士の恰好で花見をしている老人の一団に眼を止め、「駐支那××連隊」というのぼりを立てている彼らと話をしたところ、日本軍が中国大陸で犯した罪の責任を感じておらず、敗戦の事実すら認めない彼らに驚き、いくつか考えていた次回作のプランの中から、迷わずこの題材を選んだということである。
脚本のクレジットは監督以外に3人の名があるが、4人の共同作業ではなく、出来上がった脚本が気に入らなかった監督が、何度も脚本家を代えて試行錯誤した結果であるらしい。
中国政府の検閲を受けずに出品した2000年のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞するも、その後の検閲で当局から出された修正・再編集要求に監督が応じないため、中国国内では上映禁止になっている上、チアン・ウェンはこの先5年とも10年ともいわれる期間、監督作を撮ることを禁止されている。また日本でも、第二次大戦当時の日本軍が扱われていることもあってか、一般公開が2002年まで控えられていた。
カンヌ映画祭で上映されたオリジナルは162分だが、劇場で公開されたのは140分に短縮されたバージョンである(主にカットされたシーンは、終戦後50年経って花屋が再び中国を訪れ、成長したマーの息子に謝罪するという内容で、オリジナルバージョンではラストに収録されている)。
ちなみに、「撮るのが好き」というチアン・ウェン監督は、この3時間弱の作品のために、90時間分のフィルムを回したそうだ。
(評価:
)投票
このあらすじを気に入った人達 (21 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のあらすじに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。