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[コメント] 友へ チング(2001/韓国)

前半は面白かったが、終盤は感情移入が巧く出来ず、冷めた視点で見らざるを得なくなり素直に感動できず・・・。
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 う〜ん・・・。採点は★3ですが、★5をつけることを期待していた作品なだけに不満が残る。決して悪くはない映画だが、どうも好きになれない部分があった。ジャンルとして好きな友情物語に大感動すると思っていたのだが・・・。

 前半の幼少時代の4人のかけ合いは面白く、笑いを交えて見ていました。年頃の男の子が集まって下ネタで盛り上がる姿が本当に日常にいそうな仲良しグループといった感じで好きだ。高校時代のエピソードを見ても、授業で当てられるのが嫌で、ネズミの様に机を移動させるシーンなど、細かなシーンが面白かった。映画館での迫力ある大喧嘩シーンも強烈で面白かった。

 だが、4人の友情物語が年を追うごとに暗い方向に進んでいくと、自分のテンションも下がってきた。4人がバラバラに離れ、物語自体の主体性が弱くなったように感じてしまった。ヤグザの話が中心になるにつれて、その分ヤクザとは関係のない残りの2人(サンテクとジュンホ)の存在が薄くなって見えた。特に、ジュンホの存在はあって無い様なもの。前半では彼のユーモアが良い味を出していたのだが・・・。

 そして、運命のドンス射殺シーンへ。このシーンは本来は心に響くシーンになったはずなのだが、どうもそうとは行かなかった。射殺の直前のジュンソクとドンスの会話シーンがどうも引っかかる。展開から見てどちらかが死ぬというのはわかるのだが、あの会話シーンのあと、しかもサンテク旅立ちの日という、狙ったかのようなタイミングでの射殺にどうも入り込めなかった。しかも雨の中やスローモーションといった場面設定もちょっと用意されすぎてるのでは?とはいっても、自分がこの映画にしっかり入り込んでいれば、間違いなくこの場面を名シーンとしてあげていただろう。素直に飲み込めなかった人の嘆きです。

 ラストに関してもどうもしっくり来ない。ジュンソクはドンス暗殺を指示したのか否か?これが謎なのだが、指示したにしろしないにしろ、どうもピンと来ない。指示していたとしたら、あの会話で狙い済ました殺害に非道さを感じ、友情も何もないと感じてしまう。かと言って、指示していないなら、裁判で指示したなんて言わなくたって良いと思うのだが・・・。最後、サンテクと面会するジュンソクの口から、「俺たちヤクザだからカッコ悪いのはダメなんだよ」という台詞が発せられるが、これもどうかと思った。どうもピンと来ない。だが、自分がもしこの映画に完全にのめり込んでいればラストの面会シーンや幼少時代の回想で大感動していただろう。見ていながら、本当はここで感動していたのだろう・・・と思うと悲しい。

 と、批判的意見を書きまくったが、決してつまらない映画ではない。感動した人がいればそれも大いに理解できる。映画の世界に入り込めるか否かも映画の持つパワー。そのパワーがこの映画の場合は自分に働きかけてこなかったのでしょう。期待していただけに少し不満ですが・・・。

(評価:★3)

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