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[コメント] M(1931/独)

見苦しい。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







序盤はかなりワクワクさせられていたのだが、ギャング達が話の中心に入って来たあたりで「アレレ?」と徐々に緊張感が崩れ始め、終盤に連続殺人犯が「権利」「権利」と演説し始めちゃう辺りでは完全に冷めてしまった。「幼女連続殺人が題材」としか知らずにその不気味さを期待して見たので、かなり拍子抜け。そもそも俺には、軽快に口笛を吹きながら犯行予告の手紙を書いていた人物と、追い詰められて助けを求めて喚き叫び回る人物とが同じ人物とは到底思えない。当時のドイツの社会情勢を考えると、何がしたいのか分かる気もするが、映画の構成としては支離滅裂な印象が拭えない。

演出面ではかなり学べるものが多いし、紛れも無くフリッツ・ラング入魂の一作ではあると思うのだが・・・あまり素直に楽しめるものではなかった。トーキー初挑戦でありながら、どこからか聞こえる口笛や扉の向こうの音といった、トーキーでしか出来ない技を次々と披露し手本を示した、映画史において非常に重要な映画というのは認めるが、残念ながら傑作にはなり損ねていると思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ジェリー[*] 太陽と戦慄[*] けにろん[*]

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