つまりティム・バートンが本気じゃないんですよ。彼は映画ファンとしては純情でも、作り手としての純情を持ち合わせていなかった。「サルが人間を支配する惑星」をクソマジメに考えなければならないのに、信じきれなかった。

半端なお笑いシーンはバートンの照れであり、映画が描くべき世界のリアリティを根底から覆す無粋なものだった。大嘘をついて客をだまくらかすのが監督の仕事。照れながら嘘をつくなんて最低だ。つまりこの映画のダメさとは、バートンの心の弱さに他ならない。オタクとしては優秀な人なのだが・・・