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[コメント] サイコ(1960/米)

テクニシャン・ヒッチコックの作品の中で、テクニック満載の本作こそがオレにとっては最も心を揺さぶる映画だった。
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人が死に、死んだらもう動かない。死ぬということは存在をやめるということ、この世から消え失せるということ。二度と生き返らないし、取り返しがつかない。

という言葉にすれば当たり前のことを、例の名場面直後のジャネット・リーの瞳のカットひとつで恐ろしいほど実感させられた。一種のイヤなセンス・オブ・ワンダーがあった。思春期に観て、体が震えるほどショックを受けた覚えがある。

◆以下、本格的ネタバレ妄想追加コメント◆

ところでこの映画、ノーマン・ベイツの心の病を描いたように思わせといて、オレは実はオカルト映画なんじゃねえかと思ってます。元ネタのエド・ゲイン事件はさておき、ベイツ青年の精神病が生んだ猟奇事件と思われがちなこの映画。でもオレは、亡きお母さんが溺愛する息子にマジでのりうつったオカルト現象映画なのではないか?と思う。これについてヒッチコックがホントはどういうつもりで描いたかは、オレにはどうでもいいんです。オレはロバート・ブロックの原作小説も読んでないし、評判の悪いリメイクも観てない男です。『サイコ2』は観たけど忘れました。これは、こう解釈した方がオレにとっておっかないってだけの話なので、こんな説もあるんだな程度に読んでくれると嬉しいです。

オレも最初は、精神病が引き起こした事件だと思ってました。ラストで精神科医師のいかにも「謎解き」っぽい説明があったからです。でもラストのラスト、独房のベイツ(人格は完全に母親)のアップが、沼から引き上げられる車の画にオーバーラップする瞬間、一瞬シャレコウベがベイツの顔にダブるんです。ホントに一瞬、しかもオーバーラップの最中なのでほとんどわからないんですけど。初めて気づいたときは見間違いかと思いましたが、ビデオを何度も巻き戻して確認。映っているのがシャレコウベだと知ったとき確信しました。「のりうつってたんだ! オカンがのりうつってたんだ!」 驚愕! 戦慄! ホント、物凄く怖かった。小便チビりそうになりました。次に『サイコ』をご覧になるときは、エンドマーク直前のシャレコウベに御注目ください。

(評価:★5)

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