どの時代、或いはどんな架空の世界を描くんだろうというのが１番にあったけど、なんかそれ以前に主人公のキャラクターがつかみ所がないというか掘り下げがないというか。学校行ってイジメにあって帰り道、自ら石で頭をガチーンって、、、そこでまず「え、そいう性格？」みたいな違和感。結果ツーブロックになってここんとこは今風みたいな。まあ監督にそんな意図は勿論ないだろうけど、ライトに宮崎アニメを観てきたオレにはそんな印象。 タイトルの「君たちはどう生きるか」という事に関しても作品中で熱く若しくはその逆に静かに語りかけてる感じが全然ない。もうね、私(監督)が昨夜見た夢が凄かったんだ、こんな感じで！って延々と、、、 観てるこっちは中盤辺りから「ちょっとそろそろ本腰入れないとヤバくねーか？」と心配になった。 色々鮮やかだったりちょっとグロテスクだったりな生き物や空間が矢継ぎ早に提示されるが、横に横に広がってくだけで深みがまるでない。(オレの好きなナウシカ劇場版&漫画版を描いた当時の熱量を求めるのはやっぱ酷か…) これはでも登場人物に魂入ってないからなのかな。主人公はじめ父親や夏子や婆さん連中、あと未来の母親であるヒミそして大叔父。キャラ軽すぎ。 あれだけ奇妙キテレツな異世界でなんの逡巡もなく「夏子さんを返せ」〜「夏子お母さんを返せ」と見事に？変貌していく主人公に説得力がない。

あと、火事で亡くなった母親が、若き日の異世界では火炎術を自在に操ってたが、普通に考えるとあの忌まわしい火なんて見たくもないってならないのか？それとも火でペリカン達をさんざん殺めた結果としての業だったのか。オレの頭ではわからない。

まあ色々と深掘り考察があるんだろうけど、この作品がラストだとすれば、もうちょい分かりやすくストレートに監督の、特に若年世代に対しての「どう生きるべきか」ってのを観たかったかな。ムリか。

印象として賛否がかなり分かれそうな作品。

10年ぶり新作公開記念として個人的に好きな宮崎駿アニメトップ5作品 (2023.7.14現在 気分によって変動あり)

１番「風の谷のナウシカ」 ２番「ルパン三世 カリオストロの城」 ３番「天空の城ラピュタ」 ４番「千と千尋の神隠し」 ５番「風立ちぬ」 次点「紅の豚」