[コメント] 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英)
誰もが自分に都合の良い事を都合の良い様に考える、
それが世の中と言うモノだとキューブリックは唄っている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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自分勝手な妄想で、爆撃を命令する、将校。
自己の責任を薄めるが如く、爆撃の是非、真実をたらいまわしにする高官達。
電話の向こうで女とイチャつくソ連大統領。
国粋と言う名の元、自分の信念の様なモノを振りかざす将軍。
爆撃が落ちたら落ちたで、マッドなハイルヒトラー野郎な博士の指導の元、 一夫多妻制に喜ぶ、只の男ども。
最もシンプルで素晴らしいのは、嬉々として米国の会議の部屋を撮るソ連の大使。
そう、アメリカ合衆国、いや、制度に構築された社会 は唄っているのだ、こんな自体は絶対起きないと、 又は、起きたら起きたで、また違う世の中を保証すると。
馬鹿で愚かで結構、人とはそう言うモノだとキューブリックは唄っている。
爆撃が落ちて落ち込むよりも、今この場で自分が歩けるようになることの 方がずっと喜ばしいのだから。
人間は所詮知恵だけが異常に発達した、この世の俗物だ。 だから、人類は滅ぶ、でも、滅んだら滅んだで、 また会える、もしくは少なくともそう信じ込んでいるのだ。
傑作!
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