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[コメント] モスラ(1961/日)

この作品で改めてはっきり分かった事…モスラって、大きかったんだなあ。(おまけにモスラの歌の意味を入れてみました)
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 …だってモスラって他の映画だと大体はゴジラと一緒に登場するため、比率的に大きく見えない。他の怪獣と較べ、どうしても小さい存在としか見えないのだが(『モスゴジ』なんかの場合は特に)、さすがに単独で出ると、人間との対比になるので、凄く巨大に見える(現時点では平成シリーズは未見。その内観る事になるだろうけど)。更に人間より小さい小美人をここに配することで、ますます巨大感を演出出来ている。

 モスラが這っていると言うのもポイントかも知れない。徐々に迫ってくる巨大感。足音高く踏みつけてくるゴジラとも、超高速で一瞬のうちに全てをさらうラドンとも違う魅力がモスラにはある。

 邦画と洋画のホラー映画の違いを見ても分かるように、徐々に迫ってくる恐ろしさを撮らせたら日本の映画人は兎角上手い。その技法はここでも十分に発揮されていた。

 だけど、本作ではむしろそれは恐怖とは違った形だったような気もする。

 むしろ観ている側としては、怖いと言うより、歓声を上げたのでは?

 少なくとも私は遅々として進まないモスラに、早く来い早く来いと念じていた。あの遅さはタメを作るには充分な時間だった(なるほど。だから他の怪獣映画と較べ、やや上映時間が長くなるんだ(笑))。それだけに街に入ってからのモスラの暴れっぷりは溜飲が下がる。いや、特撮技術という点ではむしろ東宝得意の海での戦いのシーンの方が見事だったけど、やはり街と対比させた時のあの巨大感は凄いものだ。

 モスラの造形に関してだが、幼虫のデザインも後の昭和シリーズのものとは大分違って、ややカラフルに、そして細かく造形されている。それに多分本作だけ、幼虫モスラに脚(節足)がある事がはっきり見えてる。他の作品だと幼虫モスラは単にのたくってるだけに見えてしまうけど、実はちゃんと脚があったのね。極彩色に彩られた成虫も巨大感が良く出ていた。

 小美人が劇中で言ったように、モスラは善悪を超えた存在。ただ小美人のためにだけ動き、その過程にあるものは目もくれない。そしてそれを可能とするだけの力がモスラにはある。

 ストーリーの方だが、ここではロリシカと言う大国が登場する。誰がどう見てもこれに該当する国は一つしかないのだが、それを臆面もなく登場させるとは。東宝も相当思い切った事を。ロリシカ国を蹂躙する成虫モスラの勇姿を見つつ、戦争開始から20年、戦後から16年が経過して、7年前に『ゴジラ』まで登場させた東宝が(あるいは本多猪四郎が)問うているのは一体何か。などと柄にもなく考えてしまったよ。

 キャスティングも良かったね。明るく、正義感の強いフランキー堺が良い具合に画面を締めてるし、功利主義の権化として描かれるジェリー=伊東も憎々しい役柄を好演していた。

 最後に小美人が歌っていたモスラの歌を記しておこう(作詞:由起こうじ氏 作曲:古関裕而氏)。なお、歌詞中のひらがなは臨場感を与えるため(笑)

 「モスラ(ぃ)ヤ モスラ(ぁ) ドゥンガン カサ(ぁ)ク(ぃ)ヤン インドゥムゥ ルスト ウィラード(ぅ)ア ハンバ ハンバ(ぁ)ムヤン  ランダ バンウンラダン トゥンジュカンラー カ(っ)サクヤーンム 」

 なんでもこれはインドネシア語で、日本語に訳してみると、「モスラよ。永遠の生命なるモスラよ。悲しきしもべの祈りに応え、今こそ蘇りたまえ。力強き生命を得て、我らを守りたまえ。平和を守りたまえ。平和こそは永遠に続く繁栄の道なり」という意味だそうだ。

(評価:★4)

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