[コメント] ザ・ミッション 非情の掟(2000/香港)
単なるB級映画が何故ここまで大化けしたのか?
★81分という短尺なのに5人の男たちを描く。
通常は無理だ。それぞれを描こうとすればするほど各々のキャラは淡白にならざるを得ない。
それがどうだ、短尺の中で見事に5人の個性が描かれている。
それだけひとつひとつのシーンが、丁寧な脚本をさらに完成されたものに仕上げたのだろう。
すべてをひとりの主人公のスタンドプレーに託すのではなく、重要なプレー(シーン)を各人に振り分け、それがさらに各キャラを鮮明にしていった。
エレベーター下に仁王立ちし、次々と狙撃していくマイク。普段は甘いキャラだからこそ、ここ一番という場面での「プロ」らしさが際立つ。
仲間を救う為、ボスに許しを請いに太っちょフェイが走る。普段は無口でとっつき難いキャラだからこそ、あの場面で5人が真の「仲間」を感じたのだという事が伝わる。
これだけではない。こんなエピソードが山積みされて各々のキャラが鮮明になっていったのだ。
繰り返すが本作はたったの81分である。ここに驚きを覚えると同時に、映画作りの手本を見たような気がする。
冗長なシーンを長々と見せて観客の感性に訴えるのでもなく、舞台演劇調のように台詞でテーマを喋り続けるのでもない。映画が映画としてあるべき基本的な創り方がココにある・・と思うのです。
たかがB級映画なれど、基本を押さえた映画は記憶に残る。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。