[コメント] ザ・ミッション 非情の掟(2000/香港)
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もはや香港映画の最高峰から世界の映画の頂点へと上り詰めて行く男(自分の中では)、ジョニー・トー。
そんな彼が作り上げたこの映画で繰り広げられる銃撃戦はまさに最高級品。
銃撃戦が始まると、5人はそれぞれ素早く無言で自分のつくべき配置を見つけ移動し、静かに待機する。彼らは常に冷静で、無駄に叫ぶ事も動き回る事も無く、華麗なチームワーク。
草むらではおそらく敵に位置や人数を悟られないためになのだろう、ある程度攻撃したら素早く移動を繰り返していた。
完璧さを備えたのは銃撃戦だけではない、5人のキャラクター作りはまさに完璧。彼らについて言葉での説明など必要無い。何気ないシーンがそれぞれの性格や個性を我々に知らせている。そして、彼らは一人一人がまさに魅力的。また、ショッピングセンターの銃撃戦で注目して欲しいのは、新米シンと熟練グァイが一緒に行動しているのだが、良く見ると、あらゆる反応において、グァイが一歩先に動き、シンがそれに続くという動きになっているのだ。全体的に、そういう細かな動作への行き届きが見事!
そしてさらに忘れてならないのは、『ヒーロー・ネバー・ダイ』ではニセ鳩山由紀夫を登場させてくれた天才、ジョニー・トー。(笑)彼は今回もなかなか憎いキャスティングをしてくれている。
テーマ曲も最高。見れば見るほどカッコイイ曲だと思うようになる。
何よりも、銃撃戦の合間に見せるそれぞれの人間らしさにこそ、この監督の真髄を感じる。クールなだけでは終わらない。そういう作品だからこそ、すべてのシーンに愛着を持つようになった。こんな傑作、本当に滅多に出会える映画では無いだろう。
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