[コメント] 岸辺の旅(2015/日=仏)
フツーの死人(浅野)を水先案内に、フツーの奥さん(深津)とともに、未練や怨念をかかえたホラー的死人が普段どのように「この世」と「あの世」の間をさまよっているかのを、非ホラー的イイ話し風味で覗き見する物語。だから、フツーの感慨しか湧かない。
優介(浅野忠信)以外の死者たちは、それぞれホラー映画の主役を張れそうな境遇なのに黒沢清は必死に非ホラー化を目指す。それでも黒沢はオバケ話が好きなのだろう。新聞配達のオッサンなど、あやうく片足を棺桶ならぬホラー桶につっこんでしまっているではないか・・・。
廃墟や風に揺れるレースのカーテンと黒沢印に未練が残り、これが私の新境地ですと言われても、自主制作8ミリ映画時代から黒沢印を観続ける身としては、この毒気のない中途半端な薄味のイイ話しには戸惑いを覚える。
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