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[コメント] アメリ(2001/仏)

もっと幸せになりたかった。
天河屋

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







主人公のアメリをそんなに好きにはなれなかった。八百屋のオジサンには結構酷い事してたし、嘘の手紙でおばさんを喜ばせるってのもね。

結局、自閉ぎみの女の子が、透明人間の如く悪戯を通して他人と関わった所で、彼女が一歩踏み出したとは思えない。それに仮に人を幸せにしたとしても、悪戯は悪戯。他人の大切な部分に土足で踏み込んだ報いは、もっと受けてもいいと思う。

悪戯と臆病も度が過ぎると、大切な人を失うことになります。てなことで、ちょっぴり哀しい思いをしたところで、絵描きのオジサンからのダメ押しのアドバイス。そんなこんなで、勇んで扉を開けてみたら、都合よくお目当ての彼が立ってました、めでたしめでたし。

なんかこれでは、見てるこちらは肩透かしだった。

アメリが、本当に殻を突き破り、現実の報いもきっちりと受けた上で、幸せになってくれたならば、僕だって、アメリと一緒にもっと幸せになれただろうになあと思う。

もちろん、僕だって分かる。

最後にアメリが扉を開いたことによって、始めて彼女の部屋(世界)から一歩踏み出した、それがようやく始まりなんだってこと。それから彼女が現実とどう折り合いを付けたかなんてことは、監督はさらさら描くつもりはなかったんだろうこともね。勇気を出して現実に一歩踏み出してごらん、そこには幸せが待っているんだよ、それだけ。そんなポジティブなメッセージだけ受け取ればいいんだよね。でも、それを受け入れて、アメリよかったねって言って上げるには、彼女の悪戯はすこし度を過ぎていたように思う。

あーあ、ほんとは、もっと幸せになれるはずだったんだ。だって正直に告白すると、僕は、予告編見ただけで、ちょびっと泣いちゃったんだよ。

(評価:★4)

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