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[コメント] タイムマシン(2002/米)

「昔は良かった」なんて繰り言は言いたくないけども、前作は越えられなかったナ。
uyo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







●娯楽作品としてのペケ→「結果としてかなえられない事(エマを生かす)」を、主人公の行動の目的としてしまったコト。観客は、最後まで「エマどうなるのかな?!」と、けっこう律義に思いながら観ていると思うので、どうしてもいきなり80万年後の設定に付いていけないのではないでしょうか。観終った後カタルシスを感じられない。前もって彼女を助けるか、はっきりと「助けられないんだ」としてから、例えばその絶望感のあまり一気に80万年後に行くとか。いえ、ほんとは、元々動機は要らない!かと。他の方もおっしゃってますが、なんか湿っぽいですー。「80万年後は、とてつもなく明るい未来があるはず!」と言う主人公の希望が無残に打ち砕かれる所にこの作品の醍醐味があるはずかと。

●映像表現のペケ→トラベル中の映像の視点が、主人公からなんかちょっと離れた所にあるので、主人公と一体となって、折角の「タイムトラベルを実体験」する感覚があまりよく味わえないのが、本当にもったいない!一番の見所の「80万年一気飛び」の間、失神してしまっているし・・・。もったいないですよ・・・。

●テーマ上のペケ→80万年後の人達が、ちゃんと自分でおうちを造ったり(しかも、なるべくモーロックを避けるようにして!)、アクセサリーを作ったり、弟を気遣う気持ちがあったり・・・結構生き生きと「生活」してしまっている・・・これじゃただ「原始時代レベルに文明が後退した」だけじゃないかと・・・原作者の意向とはかなり根本的に違うと思いますですヨ。

●「タイムトラベル」ストーリーとしてのペケ→行った先で、敵を倒して、マシンを壊した。これでは、主人公が行った先が宇宙の果ての別の惑星でも、地下世界でも、海底世界でも、あんまり話が違わないような気がする・・・!

◎良かった所その1→「映像」の次の、文化伝承の人類の「発明」は、「デジタルデータ」だと思っていたので、それがちゃんと登場してくれたのがうれしかったです。◎その2→ガイピアース好演。◎その3→マシンが最も稼動すると「球体」になるというのはいいなー。外の世界から完全に「閉じられて」しまうのがもったいないけど。◎その4→年代を表示する部分のデザイン、レトロなメーターのようでとっても素敵です。でもそのマシンをみずから壊してしまうなんて!!しくしく。「今もこの世界のどこかで稼働中」と言うロマンがいいのに・・・・・・・「ただの機械だ」だとう!?そんな言葉を、タイムトラベラー、君から聞きたくはなかったよ哀しー。

42年前の旧作(’60年)も、それはまあ、微笑ましく突っ込み所もある映画ですが、もっと深い意味を持っていたなあ、と改めて思いました。とは言え、なんともノスタル爺の愚痴になってしまって(特に前作を未見、原作を未読の方、本当に)ごめんなさいー。

(評価:★3)

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