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けにろんさんのコメント: 点数順

★4ラヴ・ストリームス(1984/米)2人を交互に描く前段が圧倒的で崩壊きわきわの心理状態を冷視する客観描写が底冷えしそうだ。しかし、どんな壊滅のカタルシスが待ってるのかと思ったら両者が合流し何だか生温い曖昧感情が付け入ってくる。それでも振り切るラストカットの気障さは流石だが。[投票(1)]
★4マイ・インターン(2015/米)生きてくうえでの居場所作りの物語として見たが、総務畑で会社勤めを全うしたかのような地味で実直なデ・ニーロのキャラ付けが隘路のピンポイントを突いた。出張のホテルの一夜の腹一物な視線の交錯が微温ドラマを適正化。登場しない母親やCEOの簡潔。[投票(1)]
★4グラスホッパー(2015/日)無自覚な悪意が跳梁跋扈し腐敗し行く日本の片隅で飽くまで個人主義的行動原理に沿い仕事を行う殺し屋たちは世界から隔絶され清清しい。浅野山田も虚無感十全。複層のストーリーラインは底浅にシンクロし結局何も起こらない。拡散だけが続いて行く。[投票(1)]
★4緋色の街 スカーレット・ストリート(1945/米)性悪女に翻弄されるアホ親爺の物語として申し分も無いが、真の才能が世に出る絶望的な蓋然性の物語としての皮相な味付けが又良い。そして何より決定的に裁断される悪に冤罪も糞もない呵責無さ。展開のダイナミズムに対しラング演出はオーソドックスだ。[投票(1)]
★4TOMORROW 明日(1988/日)定められた結末へ向かい刻まれる時間を煽情的にフィーチャーすることない黒木の良識を良しとしつつ、だが尚コンセプトは明け透けだ。しかし、それでも気持ちが締め付けられるのは進行するドラマの慎まし過ぎる希望。中でも黒田伊佐山の一夜。[投票(1)]
★4サンドラの週末(2014/ベルギー=仏=伊)ろくな戦略も話術も持たぬサンドラが徒手空拳で当たってはみたが世間はそんなに甘くはなかったという話に留まらず、家計への不安は家庭が瓦解する予兆へ繋がる。でも親身な人も何人かはいたという仄かな救い。苦楽の比率リアリズムは確かにこんなもんだろう。[投票(1)]
★4竜二(1983/日)安フィルムの質感がどこまでも冴えぬ世界に適合し絶妙で金子永島ともに世界の住人として完璧。俺やっぱ駄目だわ的甘えの構図も財布の中身で見殺すダチや不良ぶる親爺へのイラだち挿話リアリティが補完。100の感情を1で語る肉屋の対峙は絶妙。[投票(1)]
★4ソロモンの偽証 前篇・事件(2015/日)物語は須く渦中で放り出されプチ完結も無い構成が前篇とは言え芸がない。が、このヘタ打てば「ごっこ」で切り捨てられるものを過度な刺激も廃しつつ牽引するのは誠実で公正たろうとする宮部イズムへの真摯な賛同だ。藤野はその全き体現者たり得てる。[投票(1)]
★4ニッポン無責任時代(1962/日)想定外だったのは『お姐ちゃん』3人衆でありそのみのキンキン声と規子のツンデレがアドレナリンを分泌させる。男共はほぼ壊滅状態の体たらくで植木のカリスマは完全遣りたい放題状態。洗練されたテンポと意外なほどのクールネスを内包した快作。[投票(1)]
★4バンクーバーの朝日(2014/日)鬱積を晴らす術もない抑圧の移民族史の束の間の晴れ間を描くにこの低体温が相応しい。ましてやバント戦術というショボい勝ち方ではゲームが盛り上がろう筈もないが、それでも必死だった彼等の思いは胸を打つ。怜悧で真摯な石井イズムは全篇を掌握してる。[投票(1)]
★40.5ミリ(2013/日)内輪映画的安寧がシネフィル的偏狭を微塵も感じさせない親爺譲りの大味作風を桃子に獲得させたのか。一見ダラな散文紀行が叙事詩のような巨大感を醸し出す…かのように見える。いっその事、物語の回収やトリックスターサクラの理由付けは不要だった。[投票(1)]
★4ファーナス 訣別の朝(2013/米)「行くか叔父貴」「うむ」と阿吽の呼吸の後『残侠伝』的破綻へは向かわぬところが美点でもあり糞詰まり的でもある。『ディア・ハンター』ライト版な展開も既視感バリバリだが、それでも素晴らしい。最高な美術・撮影のもと熟達の演者たちのコラボを見る幸福。[投票(1)]
★4昭和残侠伝 吼えろ唐獅子(1971/日)常道的ドラマトゥルギーなら高倉鶴田の道行きとなるべきところ、シリーズの決め事から仕方なく脇にいた池部が突如メインストリームに踊り出て唐獅子牡丹が鳴り響く。破綻してる分一種ホモソーシャルな遣る瀬無さが極まって歪な興奮を覚えた。[投票(1)]
★4日本の首領 野望篇(1977/日)鶴田退場で均質化された世界は強度を増しつつ政財界を巻き込み拡散する。乗っ取り戦の前段から海外利権を巡る後段へと脇で牽引する藤岡小池のテンションこそ肝。大騒ぎの後方で沈鬱な松方のどマジメぶりが愛しくも笑える。テンコ盛りです。[投票(1)]
★4さよならをもう一度(1961/米)サガンの中年女性への嗜虐的いたぶりがパリを舞台にした異郷感とシンクロして、受け一方のバーグマンの孤独感をいや増させる。ヌーベルヴァーグのようなシニカルさだ。トニパキの若気の至り的ダメさとモンタンの中年のずるセコさも共に完璧。[投票(1)]
★4WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜(2014/日)居場所探しの映画として異文化との邂逅を描き越境する覚悟に共振する点に於いて『ダンス・ウィズ・ウルブズ』と通底する。長澤伊藤の役所を知る快演は想定内としても優香の抽斗が奥行きをもたらす。しいて言えばクライマックスの破壊度が不足。[投票(1)]
★4緋牡丹博徒 鉄火場列伝(1969/日)クライマックスをお竜と共闘する立役を退場させシリーズのつま若山と場違い感のある丹波に委ねざるを得ない展開が、それでも筋が通って見えるのは待田の明晰なブレの無さがあるからだ。笠原的ロジックは何故か山下耕作と相性がい良い。[投票(1)]
★4トラック野郎・望郷一番星(1976/日)開巻30分で犯した軽犯罪は片手で足りなそうな桃次郎の圧倒的グルーヴ感。その余熱で残り1時間も美味しく感じられる。とにかく素晴らしきテンコ盛り映画ではるみの気風の良さもさもあるべしか。日本的風土に馴染むデコトラのリアリズムが想外に情緒的。[投票(1)]
★4パラダイス:愛(2012/オーストリア=独=仏)セックスバカンスに興じるオバン達もだが、現地の男どもの恥も外聞も無い買ってくれ攻撃の衒い無き生活本能と深層悪意。そういうパラダイスで自己開放し恥を晒した果てに垣間見える女の孤独地獄だがアイロニカルに見つめる毒視線は心なしか仄かな慈愛がある。[投票(1)]
★4エージェント・マロリー(2011/米)高を括って見始めたそばからのダイナーでの顛末。華麗な関節技でのワンサイドなテイタムボコ遣られに一気に覚醒したアドレナリンは最後まで退かない。本気が横溢した映画でミッションの腑に落ちなさもどうでもいい。やられる男たちは心なしか皆満足気だ。[投票(1)]