寝てる間に元妻の夢を見ると、翌朝には物質化して現れているとするならば、毎晩毎晩元妻の夢を見れば、いつしかそこはハーレムと化す･･･。理論上これは浮気にはならないわけで、誰憚ることなく楽しめる男の天国の出現だ。なに妻以外の女がいい？まぁま、そういうことはあんまり大きい声で言わない方が･･･。

ということにならないのは、これは知性を持った惑星｢ソラリス｣のコミュニケーション手段であるからで、寝てる間の夢からしか人の考えをキャッチすることのできなかったソラリスには、そうしてあげることが親愛の表現だったのであり、相手が喜ぶと思ってしたことだったのだ。これは逆に考えると、もしソラリスに仲間がいるとすれば、普段からこのようなコミュニケーションをとっていたことになるわけで、周囲にはたくさんの仲間がいることになりそうである。もしソラリスが孤独な存在だったとすると、これはまさに自分がして欲しいことをしてあげた、つまり彼（彼女？）は「仲間」が欲しかったのだ。

だから昼間に思念波を送る実験が成功して、彼の贈り物によって人間が困惑していることが分かると、彼は「プレゼント」を止めた。それを知らされた時彼は、勘違いを恥じて頬を赤らめたりしたのだろうか。あるいは侮辱されたように感じて怒ったりしなかっただろうか。そんなことを考えると興味は尽きない･･･。長かったけど、物語としては、まさにこれから始まる･･･ってところで終わってしまったと思った。

2時間46分の上映時間のうち、1時間半くらいは寝ていたと思う。上記の解釈はてんで出鱈目かもしれない。ただ、人間は暇を持て余して退屈すると、そこらを意味もなくウロウロすることがあるが、人間のそういう性質を懇切丁寧に描くという試みは、やっぱり映画を間延びさせ退屈させる効果しかないってことが分かった。

55／100（03/05/30記）