話の軸になるものが見当たらない。さほど引き込まれず、冷静に観れてしまう。それなりに楽しいのだけど、そこまででしかない。

ハルがたまたま猫の国に行く事になり、帰ってきただけ。猫の国に行く前に、大きな何かを抱えていた訳ではないので、帰ってきても大した変わりはない。

誰でもそうだが、女子高生のハルももちろん悩みがある。が、そこがあまり描かれないまま猫の国に行ってしまうので、主題のようなものが無い。なぜ猫の国がいけないのか、なぜバロンは必死でハルを助け出そうとするのか。もちろん人間だから、人間の世界に戻りたいだろう。だが猫の国が悪い所でもない（ちょっと王様厳しいけど）、人間の世界にさほど大事な何かも無い（母、友人、好きな人等はいるけどもその人達を思うわけでもない）、自分発見って訳でもないではこの話自体に意義がない。伝わってくるものがない。ただの偶然起きたちょっと不思議な体験。そこで知り得た事は、バロンはかっこいいって事だけ。

その「軽さ」は悪いわけではない。たぶんそうゆう話にしたかったんだろう。ただ自分も観ていて「軽く」楽しんだ程度だったのも確かだ。

声優さんってのは相当技術が要る。ハルは悪くは無かった。さほど良いとも思わなかったが、初めての仕事にしては十分だろう。ただ、あのバロンはいかん。ありゃ〜いかん。なぜ最近のジブリ作品はプロフェッショナルの声優さんを起用しないのだろう？それは本当に残念。そこで違和感を感じてしまうと、すーっと冷めてしまう。う〜ん残念。

画にも魅力がなかった。画風が違ったことが悪いのではなく、背景に魅力がなかった。ジブリ作品は主人公を観ていても、ついその魅力的で暖かい背景に目が行ってしまう。そんな事がしばしばあったのに、今回はなかった。作風同様軽くあっさりに仕上げたのかな？奥行きがない。いやちゃんとあるんだけど、それを感じないとゆうか。うわぁ〜ってゆう広がり感を感じなかった。あと、パンツが見えちゃいそうでヒヤヒヤした。いや、見たいんじゃないのよ。気になっちゃってね。

音楽もさほど印象に残らない。

画にもストーリーにも声にも音楽にも深みがなかった。さらっとした作品だった。こうゆうのもありだろう。でもこれで１８００円はちょっと高いなぁ。だから２本立てなのか。なるほど、２本立てなのも頷ける。

最近のジブリ作品に満足が出来ない。これはジブリ作品が最近良くないからなのか、それとも自分の感性が変わってきたのだろうか。もしかして大人になって昔の感性を失ってしまったのか！それは自分にとっては悲しいことだ。そうではないはず！子供の頃のあの心はまだこの胸の中にあるはずだ！そう信じてまた次の作品を心待ちにしよう。きっと素敵な夢を見させてくれるはずだ！まってるぞジブリ！！かかってこいジブリ！！うっちゃれジブリ！！