「火星に帰れ」、「ぶぶぶっ」って。ぶぶぶが記録に残ることになってしまいました。

そして、そこまでベタに笑わせる同じ画面上で、それ以上にゾクゾクしびれちゃった映画というだけで、「新しい」映画であることは間違いないですね。試合シーンはもちろんですが、空き缶飛んで行っただけでゾクッと来ていたところに、壁が崩れて彼の背中が現れるシーンや、彼らが「帰って来た」シーンなんかはもう、私の背筋をビリビリ直撃。「何でこんなダサ汚い奴らを」という冷静さを失わせるのに十分のかっこよさでした。無神経チャウ・シンチーもいいけど、私は無問題ドラゴンキーパーお兄ちゃんに結構マジ惚れ。彼をもっと見せてくれれば５点にしたかも。

そんでもって、この人らの「目的」ってのがまた素敵じゃないですか。サッカーじゃないんだもの。ここまでやっといて、目的はサッカーじゃないんだもの。我らの拳法を世に広めるため、だなんて。全ての人が達人と化した住みやすい世の中を作るという偉大な志。そうか、そういうことか、と大納得しましたね。歌でも踊りでもボーリングでも何でもやってちょうだい。きっとこの映画も彼らの壮大な計画の一部なんだよ。と思えるほどに、彼らは生きた人間でした。

もうひとつ５点に届かなかった理由は、ただ、短いこと。短すぎるんです。お気に入りの彼も堪能したとは言えないし、何より見せ場だらけゆえ各見せ場の持続時間が短かすぎ。ゾクゾクしたり感動したりしてる時に、「あ、まだ進まないで。もうちょっとこの感覚を味わいたいの。待ってぇ。」ということが多すぎました。それがテンポ命のお笑い王道路線の完璧な演出だし、トロい私を待ってるようなテンポにしたら面白くないんだとは分かっていても、私にはこれはかなりの拷問でした。饅頭屋の客のいきなりダンスに、帰ってきた彼らに、ムイちゃんの涙に、もっともっと心ゆくまで浸りたかったのです。あと１秒欲しい、っていうギリギリのとこまででヒョイとひるがえしておいて私を欲求不満にさせ、リピートさせるための手段かと思いましたよ。（実際、日本語吹替版観たさもありますが、リピートしようとしています。）

あと、どうでもいいことなんですけど、饅頭屋で歌い出したドレミのお兄さんが、芸術がなんたらかんたら言ってる時、「チャン・イーモウ」って言ってたように聞こえた気がするんですけど、気のせいでしょうか？