[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)
ロン・ハワードの職人ぶりが光る。しかし、ラッセル・クロウの「役者エゴ自己満足」ぶりが鼻についたり、「ソフィスティケイテッド・オカルト・ムービー」だったり、いまいちグッとこない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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よくもまあ、わけのわからん数学理論学者の人生を娯楽作品に仕立てたもんです。テンポ良く洗練された映像と上品な音楽で包まれてましたが、一歩間違えばアブないサイコ・オカルト映画です。でも、洗練された語り口のおかげで、ストレートに伝わってくるものがなかった。
精神病と闘い社会復帰を遂げるまでを、オカルトチックなサスペンスにしたのは、見てる方の興味を引き付けることでは成功だと思うが、まっとうな闘病記とは言い難く、夫婦愛の絆の描写も印象的なエピソードが足りない。
ラッセル・クロウは、頑強な肉体がバレバレなのを差し引いてもナイスな演技ぶりだが、あまりにオタク学者ぶりがはまっていて、自己満足っぽい。ジェニファー・コネリーは、「脱ぎ女優」から見事に脱皮したものの、出会いの時の知的で魅力あるキャラが、後半はただ暗い顔で心配するだけで、肉付けの足りない脚本のとばっちりを食っている。
「シャイン」を見ていないので、個人的に似た印象を持ったのは「フォレスト・ガンプ」だろうか。普通じゃない人の普通じゃない人生をファンタジーに昇華してしまうハリウッド式錬金術とでもいうのでしょうか。
それにしても、ラッセル・クロウの「ジョン・グッドマン化」したおたくぶりには笑いがこみあげる。
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