[コメント] ビューティフル・マインド(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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安西先生のセリフが思い浮かんだ。そして ピ しっと「おう!オレはアキラメの悪い男、ジョン・ナッシュ!」とでも言ってるように、ラッセル・ク ロ ウを斜め下から見上げた感じの絵コンテが頭の中で鮮明に描かれた(参照:「スラムダンク」)。そんな見終ってから5日目ぐらいの印象。
アキラメの悪 さ こそが、何事も進歩を生む。自分なんかはけっこう「アキラメの早い男(←ちなみに、それ以上に「周りに流される男」と言った方が自分を表しているのは余談か?いらぬお世話だ。)」。真理を追究するのだ〜と言っても、すぐに(と言うほどではないと自分は思うが)投げ出すほうだ。うちのバンドの仲間達が、これがまた全員、真理への追及の為なら、死ぬまで何度でも聞き直す、とり直す、根本からやり直す、そんな連中の集 ま りだった。お陰で時間ばっか掛かって、他人が聞いたら、さっきのと今のとのバージョンの違いは何?一体、何に対して悩み、何に対してこだわっているのか?みたいな感じになってしまう。完全に周りの世界とは異質な状況に入ってしまうのだ。自分達がジョン・ナッシュと似たような思考を持つとは言わないが、何かを突き詰めて物事を考えている時は誰で あ れ、親の小言に始まり、親戚付き合いや、学校の行事、それこそ単位の取得やら、シネスケの投票数が伸びな い 〜なんて、ムダ!ムダ!ムダ!ムダ!ムダ!と叫びたくなるのだ。彼の「全ての真理を解析したい」な粘りは他の無駄無駄に感じる し がらみを一切考えたくない!と切に思う気持ちの反動。そう、受験の年、正月だからって、じいちゃんの家に行って、親戚のおじちゃん達に「おい、お前はどこの大学受けるんだ?……………何?あったバガ大学行くのか!(←彼等が学生の頃はバガっけ大学の代表格だったらしい。しかも、自分は不合格)」こんな非生産性の高い会話の最中に「俺様は今、こんな所で、のんびりオヤジ共を相手にし て るほど、ヒマじゃないんだ〜!勉強!勉強!勉強!」と好きでもない勉学に励むきっかけを作ってくれるのと一緒。 ちょっと、違うか?まあ、似た感じだよ。
しかし、そんなアキラメの悪さ、回りの全てがバカに見えて無駄に思えるような思考。それらが結果として実際の彼の性格や行動(皆さんの話が真実として)に現れているとして、その姿をなぜ映画にしなかったのか?それがよく判らない。精神の障害はともかく、差別や性的嗜好や暴力の特異性などのいわゆる(?)「そこまで礼を失した人か(かける様、拝借します)」的なキャラクターを、彼の物語を語る上であそこまで素晴らしく(偽善的に)作り直すって事は、逆に彼に対して「貴方がこんな風に素晴らしい心を持った人であれば素晴らしかったのにね」みたいな悪意ある脚本だったりして?…なんて考えてしまう。賞取りたさに…ってんなら、最初から違う人を主人公に持ってきたんじゃないの?あるいは完全に架空の人物の話として作る、とか。わざわざ、こんな精神○たわな人にスポットを当てる時点で賞狙いみたいなものは無視して る と思うんだがなぁ。結果はどうあれ。
周りの全てをバカにした結果、周りが評価してくれるのって、もの凄くマレなケースなんだが、彼はその1人という事なんだろう。実は羨ましい。そこまで自分に対して自信を持って、同時に結果を出すってのはもの凄い。オレも(あくまで希望では)周りの人間共を迷惑のウズに巻き込んでいながら、栄えある結果を残したい!と願う一人だ。でもねぇ…… → タイトルコメントへ戻る
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