そう、いつまでも夢見がち野郎の私が求めていたもの達がこの映画に詰め込まれていた。 愛されるお姫様になるよりも日陰で暮らす美しい女の悲しい物語の方を演じる自分を空想しがちな若干スレた子供時代を送っていた私にとっては サティーンこそまさしく私が描いていた「お姫様」だ。　前半の歌い放題、ブランコ乗り放題、叫び放題、そして恋の駆け引きし放題。 たまらなくうらやましい。　このサティーンをうらやましい、と思う女性って他にいるのだろうか。

とにかく私は心底うらやましい。　　…違う違う違う、サティーンを演じることができたニコール・キッドマンがうらやましいんだ。

今までの彼女に対するイメージは「キレイな女優」「トムの（元）奥さん」ぐらいでしかなかった。 それが『アザーズ』を観て印象が変わり、（公開の順番と観る順番が逆になってしまったが）この『ムーラン・ルージュ』での彼女に惚れてしまった。　ユアンではなくニコールの方に。　　彼女に惚れてしまったのです。

ストーリーなんてどうでもいい。　歌よ踊りよ衣装よ舞台よ。　　 私はこの室内間たっぷりの屋外間がじつは好き。　Disneyアトラクション大好きな私にはなんともいえない。 （カリブの海賊が大好きで、あそこに入ってボートに乗ると必ず上をじ〜っと見てしまう私。グレーのような紺のような作り物のなにもない空をただただ見てるのだ。） そんな室内間っぽさがこの映画にもあり、逆にそれが私にはたまらなかったなぁ。

ただただこの主人公の２人が気持ちよさそうに歌う姿、キラキラした場所に居れる事を心底うらやましく思った。

もういちど言うがストーリーなんてどうでもいい。

私にあの緑の妖精をやらせておくれー　　瓶持って踊りたいよー　　　「一本いっとく？」にならないようにがんばるからさぁー