[コメント] リオ・ブラボー(1959/米)
まさに男臭映画の決定版といってよいチャーミングなGOODウエスタン!
ジョン・ウエインの魅力が一層の輝きを増す瞬間という決してスーパーヒーローではない彼の一挙手一投足を存分に堪能できるとてもチャーミングな傑作ウエスタンである。どんなに走り方がダサくても、目にゴミが入っても、階段を駆け下りたときに縄に引っかかって失神したとしてもそこにジョン・ウエインは燦然と輝きを放って失わないすこぶる尊大な佇まいを持ちえている。不思議なのは、ここまで愛らしい彼のキャラクターが描かれていながら彼のイメージは俄然“静”であり続けるということだ。それゆえに彼の周囲を取り巻くキャラクターが“動”としてより生き生きと躍動するという効果を超えた絶妙なキャラクター処理が味わい深いものとなっている。また男臭さが充満している作品ながらアンジー・ディッキンソンが演ずるところの女賭博師にも男好きのする小賢しい媚態を与えていて愛らしい。さらには「デグエイヨ/皆殺しの歌」は西部劇屈指のキラー・チューンである。劇中に歌われる「ライフルと愛馬」やティオムキンのサウンド・プロダクションなど素晴らしい充実ぶりに万歳ウエスタン。豊潤な映画を味わうことは何にも勝る愉悦である。
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