[コメント] アンブレイカブル(2000/米)
企画段階で質的な失敗が目に見えている映画だろう。それをまんまと製作してしまうのだから、このシャマランという監督は優秀なビジネスマンだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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不死身のヒーロー像をアメリカンコミックの世界に限定して語りきろうという狭量さも失敗要因だが、しかしそこはサミュエル・L・ジャクソンのパラノイア演技の魅力とラストの辻褄合わせで乗り切れると踏んだのだろう。しかし、超人としてのブルース・ウィリスの描かれ方がスッキリしない。「不死身であること」と「将来を予見したり他人の過去を看破できること」をごちゃ混ぜに描かれているからだ。また、意味ありげで意味不明な重苦しいシーンが所々にあり、混乱させられてしまう。
ただし、個々のシーンの演出には見所がある。ジャクソンの生い立ちのエピソードでの鏡の使い方、ジャクソンが階段から転げ落ちるシーンの、装置としての階段の使い方なんて素晴らしい。ブルース・ウィリスが駅構内で佇みながら、行き交う人をリサーチするシーンの映像表現と音楽の使い方も興奮をそそる。ま、なんだかんだ云っても、やっぱりシャマランは今後も注目に値する監督には違いない。将来、グレートムービーを作る可能性は充分にある。
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