[コメント] めぞん一刻(1986/日)
澤井信一郎の演出もここでは完全に計算が狂っている。そしてキャラクターはいっこうに狂ってこない。一番の原因はキャスティングが安易過ぎるからだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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池のさざ波は素晴らしかった。この映像の美しさはちょっと忘れないだろう。ただし日本人形は興ざめ。押井守の二番煎じなど見たくはない。そしてこれは計算されたものだとは思うが、石原真理子の五代くんに対する演技に一貫性がないところが私には危うく刺激的だった。「こういうのが一番困るんだよなぁ」という態度がちらほら。
しかし、この映画の致命的欠陥は「惣一郎さん」の影なのだ。寺の鐘も、傘の舞い上がるシーンも余りに低俗で凡庸じゃないか。『レベッカ』とは云わない迄も、もうちょっと巧く見せて欲しかった。この映画はMGMミュージカルを小津安二郎を、そしてヒッチコックまでもを冒涜しているのである。
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