[コメント] ファースト・マン(2019/米)
人類が月に行く。それはまさに政治の所業であり、多大な費用と犠牲のもとに成り立つ。ロマンだけでは語れない。その厳然たる事実を否応なく突き付ける映画。前澤さんにも観てほしい。
驚くことに、ライアン・ゴスリングは最初から最後まで晴れやかな表情を一つも見せない。娘の死が彼にどのような影響を与えたのかは明らかに説明不足なのだが、厳粛とした作品の雰囲気づくりには効果を生んでいる。妻役クレア・フォイの複雑性もよい。
手ぶれカメラのアップカット多用に最初のうちは不快感を覚えながら観ていたが、中盤火災事故の件りくらいからは展開に目が離せなくなる。コックピットの絶望的な閉鎖性と孤独。月面での完全なる無音。チャゼルにはぜひいつかガンダム実写版撮ってもらいたい。
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