★3 | 本作も峠を越えるサイクリストの場面から始まる。タイヤがバンクし、路傍で修理しているところに、ヴァンサン・マケーニュ=シルヴァンが車で登場する。お菓子を食べながら話しかける様が、甚だ胡散臭い。 [review] (ゑぎ) | [投票] |
★4 | 処女短編にして途轍もない才能。「車がやってくる」「警官に車を止められる」「勝手に携帯を操作されたことに気づく」といった挿入してしまいがちな説明ショットの省略とそれに伴う編集の切れ味。酒場やパン屋のカットなど決してこれ見よがしにならない淡い色彩感覚と見事な照明の心地よさ。或いはアデライド・ルルーのアップカットの圧倒的な美しさを讃えてもよい。ギョーム・ブラックは本物だ。 (赤い戦車) | [投票(1)] |
★3 | 面白いのは冒頭の壊れた自転車投げ飛ばす短気とおせっかい青年の登場。以降はこれを越える件に恵まれず、詠嘆が届いてこない。 (寒山拾得) | [投票] |
★3 | 〈ろくでなし〉と呼ばれる男(ヴァンサン・マケーニュ)の意識せざる「仕業」は、恋人たちの関係性に生じていた当人たちすら自覚していない破綻の切れ目に忍び込み、傷口を世間に向けて露見させる。善意の承認欲求が生む齟齬の煩わしさは現代社会共通の気分。
(ぽんしゅう) | [投票] |
★4 | カウリスマキ的キャラとズレた会話の間合いも申し分なくオモロイのだが、どうもそれだけではなさそうだ。諧謔や皮肉や詠嘆や諦念に留まらない何か世界が反転するような予兆を秘めている。そういう意味ではブニュエル的なのかもしれず通り一遍でない。 (けにろん) | [投票(3)] |