小学校五年の林間学校の際、たまたま室長をやる羽目になったことがあった。それも大部屋で、クラスの男子全員がぶち込まれるという無茶な部屋の室長だった。幼いながらも人心をまとめる苦労を知ったものだ。その時、一つのアイデアを思いついた。

「そうだ、部屋の合言葉を決めようぜ！ 合言葉は・・・月見で一杯だ！」

　ジャッキー映画の聴取率（視聴率）ほぼ百パーセントのクラスだったので、この提案はバカ受け。これでなんとか連中の心を掴んだガキの俺は、心底この映画に感謝したものだ。

　世界中の子供たちに、彼はどれほど多くの勇気を与え続けていることだろう。彼の映画と彼自身の存在が、どれほど人類に貢献してきたか知れない。ノーベル賞なんかでは生温いぐらいだ。