徳川夢声の映画ファンのコメント
寒山拾得のコメント |
春の戯れ(1949/日) | 高峰秀子と宇野重吉の悲恋物語。そこに三島雅夫も絡んで、贅沢な芸達者たちの丁丁発止。 [review] | [投票] | |
手をつなぐ子等(1947/日) | 当時の知的障碍児の置かれた境遇を記録した序盤が重要なのだろう。物語は佐藤紅緑風の喧嘩して友達みたいな学園ドラマで凡。山金君が中山君から主役を奪っちゃうのも喰い足りない。次作のほうが断然優れている。 [review] | [投票] | |
音楽喜劇 ほろよひ人生(1933/日) | PCL第1作。なんだかまだ調子が出ていないコメディだが豪華メンツが愉しめる。藤原釜足・丸山定夫VS横尾泥海男・吉谷久雄のドタバタに、まだ娘役の千葉早智子。全員がPCL出演第1作。 [review] | [投票] | |
はたらく一家(1939/日) | 荒地で昼寝している傍で子供が戦争ごっこを始め、夢うつつで戦場と間違い慌てふためく件が秀逸。この時代の怯えを描いて傑出している(なおイジワル母さんの本間教子は『羅生門』の巫女さんで有名な本間文子と同一人物)。 [review] | [投票] | |
煉瓦女工(1940/日) | 戦前には殆ど見かけない、戦後はたくさんある現代長屋映画。本作は1940年に上映中止になり製作の南旺映画は傾き、1946年にやっと公開されている。何を戦前の検閲が隠し、GHQが隠さなかったかがよく判る。悦ちゃんが素晴らしい。 [review] | [投票] | |
吾輩は猫である(1936/日) | 丸山定夫と英百合子のオタンチン・パレオロガスの掛け合いや清川玉枝のおバカな扮装、寄宿生のドタバタなどに映画ならではの面白さがあり、猫の扱いも洒落ていて補足された収束もいい。これで徳川夢声がもっと面白ければ云うことないのだけど。 | [投票] | |
彦六大いに笑ふ(1936/日) | 世代を超えて共感する三多摩壮士とコミュニスト。いい処さらっていく丸山定夫の代表作だろう。地上げされる老朽ビルをキャメラは軽やかに動き回り、同じアングルは殆どなく、加藤泰のようなローアングルがキメに使われて格好いい。 [review] | [投票] | |
幽霊暁に死す(1948/日) | 40年代後半の邦画には教会が頻出する。邦画の戦後民主主義の受容はキリスト教とともに始まっているように見える。生徒の人気者の長谷川一夫が教師辞めて窓から飛び出し旅立ち、学校に云いたいこと云ってやったぜと新婦の轟由紀子と喜び合う。 [review] | [投票] | |
スラバヤ殿下(1955/日) | ドタバタ演出はチャップリンのコピペだが森繁の多芸振りが際立ち、千葉信男のスパイと三木のり平が面白い。物語はいかにも菊田一夫でちと手堅すぎ。 [review] | [投票] | |
坊ちゃん(1935/日) | 明治らしい悲憤慷慨、殴って逃げる右翼テロルの物語が、嘉次郎流のユルいギャグで描かれる。『けんかえれじい』などとも類縁性があるのだろう。 [review] | [投票] | |
水戸黄門漫遊記(1938/日) | 「東海道の巻」と「日本晴れの巻」の総集編らしく大雑把な出来だが喜劇だからあんまり気にならず、エンタツ・アチャコののんびりした漫才が愉しめる。面白い。70年代のテレビでも通用するレベルだろう。 [review] | [投票] | |
頑張れゴキゲン娘(1959/日) | 素性偽る見栄張りデート噺。市川崑直系のやたらハイな中島そのみがゴキゲンで、そのまま植木等に繋がる。そのみは民主主義の行き過ぎを憂い、海に落ちた彼女の指輪を潜って探す瀬木俊一の劇伴は軍艦マーチ。ということで、いかにもな古沢憲吾デビュー作。 | [投票] |