[コメント] ノルウェイの森(2010/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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恥ずかしながら原作に心酔していたクチなので 原作を読まずに映画を鑑賞した人が「へーこういう話なんだ」と捉えられてしまったら悲しいなとまず思った。 本当はここはこうだし、あの人はこういう背景があって、このシーンが省かれているから云々…と多くの説明をしたくなった。つまり性描写しかしていないと言っても過言ではないくらい性描写シーンだけを抜き取っていった感じの奇妙奇天烈な映画だった。
次から次へと出てくる女性たち(しかも皆うつくしい)とキスをしていく主人公・ワタナベ。 それぞれに「愛している」と告げ、身体を重ねていく主人公・ワタナベ。 そりゃ"ぼくはどこにいるのだろう?"ってなるわ!!
…なんて正直ハラハラしながらそして苦笑しながら観たが、 考えてみれば原作も結局こんな話だったとも言えるな、なんて監督の解釈に共感してみたりして。 村上春樹を原作通りに理解していたら映画化しようなんてまず思わないのだろうし、思えないはずだから、 外国の監督だからこそ思い切れたと感心することにした。
良かった ・緑の家、特にキッチン…こんな家に住みたい! 原作を読んでいた時はもっとボロいギシギシするような家を想像していたけど。 ・ハツミさん役の女優…タイプ。原作を読んでいた時はもう少し成金っぽい品の無さも持ち合わせているようなきつい感じの女性を想像していたけど。あとスタイリストがイイネ! ・ワタナベが傷の匂いを何度か嗅ぐシーン…原作に無かったような気がして、映画ならではの良いシーンだなと思った(記憶が定かではない)。
悪かった ・皆、急ぎすぎ(笑)。歩く速度が無意味に速すぎて劇場で笑いをこらえるのに必死だった。 ・「やれやれ」とか「もちろん」を連発するところが、いくら何でもと笑えた。 ・菊池凛子のあえぐ声や息遣いがAV並みのわざとらしさで聴いているだけで恥ずかしくなった。配役ミスと言うひともいるようだけど、あの病的な残念なイタい感じは出ていたので一応よしとしている。 ・勃起とかマスターベーションとかセックスとかいう性的な言葉が表現されすぎていて、でもそれは原作通りだから仕方が無いということで、何とも切なくなった。文体を映像にすることは不可能とさえ思えた。 ・水原希子の雰囲気が好きなのに、彼女を見ていると美しさに飽きる。もっとボーイッシュな雑な感じの男の子みたいなショートカットの子を想像してきたので、料理を作る意外性なんかも全然無かったし。
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