[コメント] ゴースト・イン・ザ・シェル(2017/米)
想像するにかなり守備的な実写映像化なのではないかと思う。真新しさを感じることはなかったが悪くはない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作、アニメ、未読・未見です。
本作のポイントは次の2点であると思う。
・1991年に発表された原作を映像化するに当たり、現代的にブラッシュアップをするか
・シリーズのシンボル、主人公である「草薙素子」という存在をどう組み込むか
一見して表現に真新しいものはなかった。芸者ロボットや街中に表示されているホログラムは醜悪といっても差し支えのないものであったし、街そのものの表現も『ブレードランナー』的とでもいうか、それこそ90年代に提示された近未来表現から大きく離れたものではなかった。
この事はおそらくは現代的な変更を拒絶し、原作を比較的忠実に実写映像化するという意志の表れであろう。それであれば真新しい表現がないのはむしろ正しい。
この意志は「少佐」とされた主人公(スカーレット・ヨハンソン)にも生きている。主人公周りの設定は、外見が欧米人である事、記憶を失くしている事、母親(桃井かおり)が生きている事が改変されているようであるが、これが本作の主人公である「少佐」が「草薙素子」であることに、少なくとも劇中では十分な説得力を与えている。原作ファンが納得するかどうかは別の議論ではあるが、個人的には悪くない設定改変であると思う。
この世界観が1991年の段階で構築されていたのはただただ驚くばかり。その意味で新鮮な鑑賞となった。
(2017.04.08 シネプラザサントムーン)
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