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[コメント] ピンポン(2002/日)

「頂点に立たないと見えない光景」というのはあるだろう。そして、「頂点を目指さなければ歩けない道」も、確かにある。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







才能と努力ということの扱いが軽すぎる気がするが、2時間という映画の枠の中では、ある程度、簡略に割り切ってしまうのは仕方がないのかもしれない。

それでも、ペコとピンポンをする時に、笑っていたドラゴンが、私は一番好きだ。

たとえどれだけ豊かな才能に恵まれようとも、本気で頂点に立とうというのなら、他のすべてを犠牲にしてでも、その事に取り組むことが必要ではないだろうか?まさに1日24時間、寝ても醒めてもピンポンのことを、どうすればピンポンで強くなれるかを考えつづける。

ドラゴンはまさにこの点で「ピンポンの権化」であった。だが、そこまでピンポンにのめり込めるのは、勝利への欲求とかその他もろもろの圧力があるから、だけではないはずだ。

何よりもまず、ピンポンが好きだから、だからこそ、多感な青春時代(ちょっと照れる言い回しだが)に、自分のすべてをピンポンに捧げることができたんじゃないだろうか。

そしていくら才能があろうとも、ピンポンを心から好きになれない者は、「頂点を目指す道」を歩きつづけることはできないと、私は感じた。

ただこの映画は、そういうことを置いておいても、ビシッとラケットを構えたシーンが決まっていて、実にカッコよかったし、それだけでも十分楽しめた。竹中直人も、怪しげな横文字が気にはなったが、マジメに芝居していたし、なにより、主要な5人の登場人物の描き方が丁寧で、個性的で、それぞれが際立っていた。 見てよかったな、楽しかったな、と心から思えた映画であった。

オマケ★★ところで、キャプテンの大田が登場するたびに『少林サッカー』を思い出したのは、私だけだったのかなあ。。。。

(評価:★5)

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