[コメント] ゼロ・ダーク・サーティ(2012/米)
そして、終盤30分の急襲シーンでは、米軍特殊部隊のメンバとして、ジョエル・エドガートンとクリス・プラットが登場するのだ。まるで『ミッドウェイ』とか『遠すぎた橋』みたいな役者の使い方じゃないか。たしかに、かつての大作戦争映画のように、鈍重で走り出さない映画なのだ。
冒頭のジェイソン・クラークによるカテブへの拷問シーンもいまいち。ジェシカ・チャステインの拷問に対する変化の描き方も、もっと鮮やかに描いてほしい。終盤になって、チャステインがアクリル・パーティションに、赤ペンで数字(日数)を書くだけの役割になってしまう(ちょっと誇張)のも、どうかと思う。
さて、『ハート・ロッカー』に比べれば、とても落ち着いたカメラだ。手振れは殆どなし。小さなズーミングも2、3カ所のみで、全然嫌味な使い方ではない。奇襲に旅立つ場面の、ヘリのプロペラによる風と砂埃の造型も良し。『ハート・ロッカー』のカメラワークは、一体何だったのだろう。ビグローのこだわりではなかったのか。それとも、いたく反省したのだろうか。
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