[コメント] 密告・者(2010/香港)
香港ノワールの括りの中でも異色な手触り。
不幸の純度が高いにもかかわらず湿っぽくない。
全てを説明せず、印象的なワンカットで分からせてしまう強引さや瞬発力が雑ではないし、特に捜査官ドンが絶望したあのシーンには唐突だが痺れた。
(ミーン・ストリートを連想させた。)
刑事でも、強盗でも、情報屋でも誰もが、人間という器を擦り切らして、静かに発狂していく瞬間を美しく切り取っている。
量産され続けるジャンル映画に新機軸を見つけることの幸福感はファンにとって言葉に尽くせぬもの。
久しぶりにそんな予感を感じさせる映画だった。
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