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[コメント] 評決(1982/米)

この映画が成功しているのは、何と言ってもジェームズ・メイソン演じる敵役弁護士を極めて正しい在り方として描いていることに尽きる。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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彼の在り方は極めて正しい。敵役の在り方として正しく、また、辣腕弁護士の在り方としても正しい。

目標と戦術を明確に定め、多くの部下を有効に使い、相手よりも常に先手を打ち、思わぬ事態にも臨機応変に適切な対応をする。優秀で抜け目が無い。これだけ完璧な敵が存在し、それに対してポール・ニューマンが苦心してもがくからこそドラマに見応えが生まれる。

冷静に考えると、この脚本には穴と欠落が多い。酒に溺れ葬儀場で仕事漁りしていた主人公がいきなり正義感に目覚めるのが唐突で説明不足。シャーロット・ランプリングの近づき方もミエミエに不自然だし、あれだけ完璧な被告側弁護団が元受付看護婦の存在を見落としていたのもご都合主義(この点だけは辣腕弁護士の完璧性を損なっている)。彼女の証言が削除されたにも関わらず最後の評決に至るのもロジカルに考えるとおかしな話。だが、はっきり言って評決が有罪だろうが無罪だろうが、個人的にはもうどうでもよかった。あれだけ緊張感溢れる法廷劇を見せてくれたのだから。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)Orpheus 草月 けにろん[*] シーチキン[*]

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