[コメント] 紙屋悦子の青春(2006/日)
冒頭20分、病院の屋上での二人だけのダイアログを見せ切ってしまう演出力は圧巻。そして、本上まなみがあんなにも鮮やかに軽妙な会話劇を演じられることに驚く。
あんなに美味そうなおはぎがたくさんあって、夕食の食卓もそれなりに賑やかで、それでも昨日最期の挨拶に来た青年は今日もう戦死するのだ。地方の穏やかな暮らしにも、確かに戦争が隣り合わせている。二人を結びつけ、若くして戦争の犠牲となった友の存在を常に心に抱き、夫婦は昭和を生き抜いた。
こんなに会話ばっかりの映画なのに、肝心なことは言葉にされない。だが伝わる。
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