[コメント] 母(1963/日)
根源的な女のしたたかさを母である乙羽は体現する。彼女の周りには理不尽な死と別離がつきまとうが、彼女は夫を替え続けても命の脈動を連続させようとする。その一途で貪欲な生への渇望が、物語自体のベクトルをも変えてゆく。
原爆について声高に語るでもなく、しかし確実にその影を暗示させ、印象付ける手腕にも感服した。
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