コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ガメラ 大怪獣空中決戦(1995/日)

夕映えの逆光を浴びた、ギャオスの東京タワーでの巣づくりシーンは特撮史に残ることであろう…という話はさておいて、21世紀の怪獣映画には少年が帰ってきてほしいというお話(脱線ですけどね)。
水那岐

この映画で怪獣と聖少女という、解剖台の上でのミシンと蝙蝠ガサのような出会いが確立してしまったのは決して偶然ではあるまい。アニメや漫画ではすでに怪獣やロボットと少女の組み合わせは、ロリコンブームの落とし子として存在していた。そして、これは新ガメラシリーズを特徴づけるファクターとなるとともに、もうひとつの「戦う美女」のイメージもまた定着し、東宝ゴジラシリーズを巻き込んで現在に至るまで続くことになる。しかし、もういい加減いいだろう。出始めのこの映画の頃なら新鮮であったことは確かだが、いまやそれも一つのパターンと化している。

怪獣映画に戻ってきてほしいのは少年である。確かに昔のガメラシリーズのように、「子供だまし」の作用しか発揮しない少年なら出ないほうがマシだ。しかし、そもそも怪獣映画とは少年の血を滾らせるものではなかったか?彼らは可憐な少女や、勇ましいお姐さんの登場を楽しみに映画館に足を運んでいるだろうか。近年であれば成功と言えるかは別として『鉄甲機ミカヅキ』という実験作があった。その路線もまた良しだが、もっとリアルな立場での少年の出演は望めないだろうか。「子供だまし」になるかどうかはスタッフの手腕次第でどうにでもなる。怪獣映画をお兄さんのノスタルジーを満足させるだけのフィルムにしてはなるまい。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (8 人)わっこ[*] ぽんしゅう[*] すやすや[*] ゼロゼロUFO[*] ボイス母[*] kiona[*] さいた Ryu-Zen[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。