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[コメント] キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002/米)

自分が16歳の頃、何を思っていたか?そのような気持ちが駆け巡った。幸せと不幸の隙間に立ちすくんだ青年の心情が、コメディタッチの裏側で所狭しに描かれている点は好感。追われる方も追う方も皆必死。実に社会派なノンフィクション!
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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原作は『世界をだました男』というフランク自身が書いた小説。どうやら新潮文庫から発売されているようで。この機会に読んでみようかなーと本気で思ってしまった(笑)。僕の久々のスピルバーグ作品鑑賞は正解だった。もう本当に久し振りで、「前回彼の作品を観たのは何だったかな?」と今思い出すことに奮闘する自分がいたりする…。主演を務めたディカプリオに関しても、今年に入ってから観た作品はナント『バスケットボール・ダイアリー』である!という訳で、実に新鮮な空気の中、この映画を“追い掛け回すかのように!“鑑賞しました(^^;

鑑賞後(いきなり笑)、僕が思わず探してしまったのは「この物語はフィクションです」という文字。TVドラマでもないのにね…本気でコノ作品(正確に言えば設定自体)は本当にノンフィクションだったのか!?と驚いてしまう。そして、63年と69年のフランクとカールという平行していく物語はとても観易かった。

16歳という多感な時期に経験した両親の離婚が、彼の頭脳を開花させた。「引き金を引いた」という表現の方が正しいのかもしれない…。全てはそれが始まりであって、やはり青春時代に受ける大きな衝撃は、後で塗り替えることは決して出来ないものなのだろうか。ここからはディカプリオの本領発揮。とりあえず若い。そしてダンディー(笑)。「まじかよ!」と言わんばかりの展開が面白すぎる。そして、そのような娯楽な描写の片隅で見受けられるフランクの心情はとても興味深い。ブレンダとの出会いも何かしら揺るがしていたのは確実であるし…。空港で落ち合えなかった後、ブレンダが登場することはないが、少しだけでも構わないから彼女の視点が欲しかったという本音もある。

後半、もう一人の主人公トム・ハンクス。彼のFBI捜査官としての人情が実に渋く、「やってくれるなオイ笑」と感心させられてしまう。そうした意味でキャスティングはベストなのかもしれない。現実に追っ手が犯人に感情移入してしまうコトがあるかもしれないが、この作品において言えることは、「安易でない感情移入」が非常に上手いという点。どうだろうか。特に甘やかすこともなく、自分の立場を第一にわきまえながら仕事をこなすカールがいたと思う。逆を言えば、フランクの感情がカールに移入したとも言えるかもしれない。(ラストなどからも)

こうやってレビューを書いていると特に気になる不満がないことに気付く。むやみな長文のおかげかもしれないが…。とりあえず、スピルバーグテイストが刻み良く堪能できる作品だった!…とでも言っておきます。

(評価:★4)

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