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[コメント] 明日に向って撃て!(1969/米)

ニューマンが喋る時、彼が主役だ。でもレッドフォードが呟く時、100%主役の座が明け渡される。その見事なラリーが、実におおらかに繰り返される。そう、「友情」がテーマのこの作品が魅力的なのは、映画の中に真実があるからだ。
パッチ

■「友情」をテーマとした西部劇

この映画のテーマは、真の「友情」だろう。そして、ポール・ニューマンロバート・レッドフォードの関係が、このテーマと重なり合う。

この時二人は、はじめてコンビを組んだ。なのに、二人はお互いを見事に生かし合っている。友情とは、信頼関係だと思う。何があろうと、どんなことを言い合おうと、そこにしっかりと根を張った信頼の絆があることを、全てのシーンにおいて感じさせてくれるのだ。

強盗や撃ち合いのシーンがたくさんあっても、心があたたかく、ふわりと浮いたような気持ちで観られるのは、友情の絆が二人を中心に映画全体を包み込んでいるからだと思う。だから、全く他の作品とは違う西部劇ができ、観客の心を掴んだんじゃないかと思う。

■映画は喜びだ、親密な雰囲気が映画全体を包み込んでいる

そして、その関係をつくりあげたのは、やはりジョージ・ロイ・ヒルだろう。この映画に限らず、彼の作品には独特のなにか親密な雰囲気が漂っている。この雰囲気に身をゆだねるのが私は大好きだ。映画に限らず、こうした親密で幸せな雰囲気をつくり出せる人を私は尊敬する。

ポール・ニューマンがインタビューで話していた。

「この映画が色褪せないのは、喜びと関係があると思う。映画をつくる喜びだ。映画って喜びなんだ。‥‥仲間意識が感染しないといけないんだ。‥‥楽しかったな」

※ たまたまですが、このコメントを書いている時、かっきーさんの結婚を知りました。面識のない私ですが、一緒になって感動させていただけたことに、本当に感謝しています。そのあたたかい気持ちを抱いて書いたこのレビューは、実は夫婦や家族の絆にも深く関わることだと思います。

誰かと友情を結ぶこと、誰かを愛することこそ、私たちの真の目標です。私たちはそのために生活し、学び、働き、悩み、笑います。こうした全ての行いは、この目標を実現するためにあるとさえ私は思っています。結婚はその一つの目標を掴んだんだと思います。そして、もっともっとたくさんの友情を育む可能性を得たのだと思います。

お幸せに。友情の輪がますます広がり、二人を包み込みますように。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (13 人)けにろん[*] FreeSize[*] いくけん[*] ミルテ[*] らーふる当番[*] tkcrows[*] ina 甘崎庵[*] かっきー[*] sawa:38[*] KADAGIO[*] ジャイアント白田 ニュー人生ゲーム

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