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[コメント] 醜聞(1950/日)

松竹の黒澤、メルヘン現代劇を撮る。
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







途中までは快調な展開。クリスマスを過ぎて設定先行、キャラクターを粗末に扱った進行になる。それでもメルヘン芝居は十分楽しめた。

オートバイの音が実にいい。なんだか頭にかぶってるけどノーヘルだし、路上走るバイクを前から撮っているシーンが好き。二人乗りは当然横座り。子供達が後を追っかけていくのもちばてつやのまんがみたい。 圧巻はやはり左卜全いきなりの登場で演説の後に志村が歌う酒場のシーン。この蛍の光は、♪命短しよりいいかもしれん。三船すら昌和しているじゃないか。恥ずかしい。

話がおかしくなるのは、志村が弁護士としてまったく話ができなくなってからで、まああざとい演出だ。最後までの展開が無理ながら見えてしまう。志村の娘が亡くなるとは思わなかったが、これも設定先行の処理だとおもう。最後の星の誕生を初めて見た、に至っては唖然。もう少しキャラクターを生かした進行があったのではないか。

黒澤は現代劇でも十分見応えのある画面を作る。青年三船は喜劇も十分できると思う。何人かの方が述べているが、私もその可能性の映画を見たかった。この映画については前半支持派です。

(評価:★4)

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