[コメント] 姿三四郎(1943/日)
決闘シーンの何と力強く美しいこと。冒頭の闇討ちには、濠端の矢野を支点とした扇型上の乱舞が準備され、中盤の村井との対決ではフレームアウトの多様により密閉空間での緩急が強調され、最後の檜垣との決闘は開放空間での果てしない風雲が不穏を呼ぶ。
カタチを重視したカメラポジション、視点としてのカメラワーク、そしてカメラに収められるための舞台設定。この作品の決闘シーンには、アクション映画として欠くことのできない映画的基本が全て備わっている。しかも、とてつもなく高度なレベルで。活劇監督黒澤明の原点を観た思いがする。
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