[コメント] 姿三四郎(1943/日)
今見ても、時代背景を物語る明るさが伝わる映画です。
戦時中の日本で、これほど熱狂的に歓迎された新人監督もあるまい。 黒澤はすでに師匠である山本嘉次郎監督の助監督として信頼も大きく、いよいよデビュー作に何を作るかという時、戦時中ということもあって映画会社にいくつかの企画をつぶされていた。 富田常雄の原作が書店で発売されたその日に直感的に映画化権を交渉しに出向いたというエピソードは大変有名だが、黒澤のデビュー作として今となってはほかの作品など考えられない。 原作のメロドラマ的な部分を排除し、三四郎が師匠の教えに従い成長してゆくまでをエネルギッシュに描いており、その後の黒澤作品の全てに影響する貴重な作品である。
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