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[コメント] タクシードライバー(1976/米)

男の映画(文系の)。
天河屋

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ベトナム戦争関係の映画の再上映で、『フルメタルジャケット』と共に観る。

どちらの映画も、戦争のもたらす狂気を描いたという点においては、共通しているが、狂気の狂気らしさにおいては、こちらの方が断然上。キューブリックは、いかにもキューブリックらしく、理詰めで狂気が生成される過程を描いているが、狂気とは、こういう風にこうやったら狂気が生まれましたってなもんでもないと思う。 その点、この映画の持つ、場当たり的なシーンの連続の意味不明さ加減が、結果的には、より狂気を狂気らしく表現し得ているように感じる。 (個人的には、トラビスがテレビをぶっ壊して頭を抱えるシーンとかが、らしくて好きですが。)

とにかく、このトラビスという男は怖いし(絶対に町で会いたくない!)、 この男があっけらかんとヒーローに祀り上げられる事自体もまた病んでいて怖い。

その怖さにおいて個人的には、この映画をホラー映画と断じている。 たとえば、社会派ホラー、もしくはベトナムホラーと言うジャンルがあるならば、 間違いなく最高峰であろうと思う。

怖いと言えば、ハーベイカイテルのシークレットブーツ?のデカさも、ある意味怖かったが、、、。

※蛇足   もし二本立てにするのなら『ゆきゆきて、神軍』と上映するのがいいかも。 奥崎氏は、ある意味リアル・トラビスだと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)けにろん[*] きわ[*] グラント・リー・バッファロー[*] ロボトミー[*] ジョー・チップ

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