水、水、水。めくるめく水の表現。のっけからすごいです。特撮なんて要りません。流れる水と揺らぐ水草。すごすぎる。

人間の、心の痛みや秘められた過去を巧妙に突いてくる展開ですが、他人との関係性が希薄な現代では、出てくるイメージは自分自身のダークサイドが真っ先に現れそうな気がして恐い。

その中身が何であれ、無くした妻や母親と認識してしまえば、本物と同じだという考えは、ある種の唯心論というか、マルクス的な唯物論を批判しているようにも思える。

舞台が宇宙という非現実性（コストもかかるし）と、宇宙にいける一握りのエリート層の話だという弱点を排して、なおかつ登場人物の多様な反応ぶりを補強した哲学的舞台劇が「ストーカー」なのでは？