[コメント] 惑星ソラリス(1972/露)
壮大な「水」というテーマの究極を見た!遂に映画がこの領域に入り込んだということなのか?これを題材にどのように普遍的なことも可能となった。凄い!
オープニングシーンは黒澤明監督の『夢』の最後のエピソードに継承されている。このシーンからすべては始まる。美しい水、水を求めるもの、悩まされるもの、そのあらゆる造物の原点としての水をこれほどまでに美しく表現できるものなのだろうか。
黒澤作品に象徴的に現れる雨。羅生門、七人の侍などの雨、あれが日本の水の象徴というなら、この作品の水は人類のあらゆる源としての象徴を思わせる。
未来都市として日本の首都高速道路が用いられているのもタルコスフキーの才能だ。今から想像もできない高度成長下の日本(東京)を未来都市として選択している。そのモノクロのトーンは必ずしも未来を肯定しているということではない。
宇宙船の中で繰り広げられる自分との戦い。幻想との戦争、そして故郷・・・。心の底から「帰りたい」と思わせる映像と迫力に圧倒される。
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