[コメント] 華氏451(1966/英=仏)
本の話。そして本を読む人の話。本を読む人は、意味(センス)がないこの世にセンスを求める人。だからナンセンスなSFがぴったりで、ナンセンスこのうえないくせに、じつにメイクセンスなのである。
私の脳の中枢部で、「はた」とメイクセンスしてしまったためか、「おわり」の文字の登場の仕方にも、シブイ、と唸らされた。「間」がすごい。
レトロでキッチュで「芝居」な感じ、と隠し味もきいていて、ただ一言、すげえ。
しかし私のツボは、「デイヴィッド・コパーフィールド」の音読で「本」に目覚め、気付けば百科事典を読んでいるモンターグ……。ここだった。
だって、タイトル名、作家名のほか、第何版、出版社は○○、とか、全部読むんだもの。で、活字中毒者がきまって手を出す百科事典にまで手をつけた。ああ。
チクリ箱に、サンダーバード的なもの。実写でやるか? 文字通り Fireman になってしまった Fireman とか、馬鹿馬鹿しさが漂うナンセンス炸裂シーンでひとしきり笑ったら、私もこっそりその村にゆき、涙に浸る。浸ってやる。そして「高慢と偏見」兄弟とオトモダチになるんだい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (8 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。