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[コメント] ミッドサマー(2019/米=スウェーデン)

あるのは悪意のまなざしと美術センス。ホルガ村って実名の村があるってよ? こんな不適切な夏至祭イメージ動画を作っちゃって大丈夫なの? 
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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たとえば日本の奇祭を偏見を助長しかねないほど悪趣味たっぷりに描いたら、その地方の自治体や観光協会から即クレームで上映禁止になりそう。本作が特にふつうに上映・配信されているところをみると、ヨーロッパなんかだと芸術である以上、表現の自由を尊重するというスタンスだからなのか、反キリストでないものはどう扱ってもあまりどうということはないということなのか、よくわからない。

実際の夏至祭をベースにしながら、おぞましい箇所は監督のただの創作物で、ホラーっていうのはそういうもんかも知れないけど、なんか西洋文化属性の人たちにとっての土俗的なものに対する偏見に頼っただけの薄っぺらいイメージ動画って感じしかしなかった。クリスチャンがキメセクを強制される場面とか、ああいう風習が何かしら実際のものに関連があれば嫌だけど、ただの嘘っぱちだと思うとなんだか阿呆らしい、よくやるよ、という気もしてくる。それとも北欧文化のことを少しでも知っていると思わず納得な描写なのだろうか? クリスチャンって名前って考えてみればダイレクトな名前。ああ聖教が邪教に犯される背徳に萌え〜ってことなのかな。

本作のような一種の不条理ものっていうのは、登場人物を通して鑑賞者の常識が揺さぶられる作りでなければならない。最初は相手がおかしい、と思っていたのに、だんだん自分のほうがおかしいのでは、という不安に共感できるような作りでなければならないと思う。『ウイッカーマン』も『ローズマリーの赤ちゃん』もそこができている。『ヘレディタリー/継承』も、兄貴や家族の妹に対する負の感情が、鑑賞者との常識との接点となりうるので共感できる。本作ではその共感部分がかなり弱かったと思う。自分の常識が揺さぶられることはなかったなぁ。それは常識側の立場の人間がたくさんいてポリフォニックになり誰かに共感しづらかったこと。それと現代のホルガ村の人たちとの間に、どこか自分でも話が通じそうな感じがあったからかも。アーミッシュだって太陽光発電で馬車にLEDもUSBもある現代じゃ、こういう共同体の閉鎖感というのは厳しい設定なのかも。

(評価:★3)

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